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チェック柄・レザー…毎月テーマ設け提案 ラブレス

8/20(火) 10:12配信

NIKKEI STYLE

三陽商会がセレクトブランド「ラブレス」の販売てこ入れに乗り出した。個性的でニッチなデザインが売りだったが、流行や機能性を重視した商品開発を推進。月単位でテーマを設けて商品群を陳列し、着こなしを提案するなど、新たなビジネスモデルを構築する。同社は若者層の掘り起こしが課題であるだけに、各ブランドの「先兵役」としての使命も帯びる。



■モード系セレクトショップで新たな挑戦

「チェック」「ヴィンテージフラワー」「レザー」――。都内で開催したラブレスの2019年秋冬の商品展示会では、テーマごとの衣料品を分けた展示を打ち出した。同社は9月からテーマを月ごとに設定し、衣料品や雑貨の着こなし方を店舗で幅広く提案する手法を本格的に始める。
アパレルメーカーの商品開発は「春夏」「秋冬」に区切って商品を企画し、販売するのが一般的だ。だが半年という長い期間でトレンドの変化に対応し、顧客を飽きさせないようにするのは至難の業だ。売れなければ、大量に在庫を抱えるリスクもある。
そこで期間を月単位に絞った提案でリスクを軽減することを決めた。三陽商会は新たな取り組みを進めるブランドとしてラブレスを選んだが、その狙いは20~30代の新たな顧客層を開拓することだ。
同ブランドは2004年にファッション性の高いモード系の衣料品を集めるセレクトショップとして東京・青山で誕生した。百貨店向けのビジネス衣料ブランドが主流の三陽商会にあって、路面店で若い顧客層の開拓を目指した。

■トレンド・機能性も取り入れ脱ニッチへ

08年ごろから路面店を大阪や福岡などにも拡大し、プライベートブランド(PB)品の開発に着手。どくろやカモフラ柄など、奇抜なデザインを取り入れることなどで、芸能人やファッション業界の関係者などにファンを増やしていった。
だがニッチすぎるがゆえに、成長に陰りが見え始めた。「トレンドや機能性を取り入れるなど変える部分も必要」(三陽商会の木南元成セレクトショップビジネス部長)とみて18年から大胆なブランド刷新に着手した。
著名デザイナーの有働幸司氏とは共同のブランド「LF(エルエフ)」を設立。グレー色で英国風のトラッドなデザインのダブルジャケット(税別4万2千円)や黒のパンツ(同2万2千円)など、ベーシックな商品に個性的な色合いなどを盛り込んだ。機能性に着目したブランド「プレゼント」では、食べ物や飲料をこぼしても水に流すだけできれいに汚れを除去できるシャツなどをそろえた。
ベーシックや機能性重視はビジネス衣料でも主流になりつつある。それでも「ラブレスはIT(情報技術)系やクリエーターにオフィスやパーティーなどで着用してもらう服」(木南部長)をイメージする。従来は買い付け品が大半だったが、こうした新商品を全体の2割弱にまで広げた。
ラブレスは三陽商会では大きな売り上げ規模ではなく、新たな挑戦をしやすい環境にはある。アパレル業界が苦戦するなか、今回の取り組みは他ブランドに広げることができるかどうかの試金石となる。
(花井悠希)
▼2004年に立ち上げたセレクトショップの先駆け。海外の高感度なハイブランドだけでなく、モード系など国内のクリエーティブブランドを積極的に提案。ラブレス限定のブランドやコラボアイテムなどで独自の世界観を表現してきた。ターゲットはファッション感度の高い30代からの男女。
[日経MJ 2019年8月2日付]
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最終更新:8/20(火) 12:15
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