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吉野家HD会長が語る「吉野家」が急成長し倒産したワケ

8/20(火) 5:00配信

商業界オンライン

 料飲稲門会(会長/桑原才介)では(株)吉野家ホールディングス会長安部修仁氏のセミナーを開催。当日会場には100人を超える聴講者が参集した。

 料飲稲門会とは早稲田大学OBの飲食業関係者、飲食業に興味を抱く学生等で運営されている交流会。また、早稲田大学関係者でなくても友好会員として活動への参加を歓迎している。

 前回の記事では、吉野家の事実上の創業者 松田瑞穂氏の話を中心に進めた。今回は吉野家が急成長し倒産した理由について、安部氏の講演をまとめたものである。

前回の記事は こちら

お客さんが牛丼を注文して15秒で出てくる仕組み

安部氏:「吉野家」創業の店である築地の店のピークは朝5時の開店と同時に始まり、8時までの3時間ずっと満席です。カウンターで食事をしている人の後ろで壁伝いに並んでいる人たちは皆、立ち食いをして口をもぐもぐしながら勘定を支払う、というような忙しいお兄ちゃんだらけでした。

 ピークタイムにお客さんが店に入ってこられて、提供するまでの時間は15秒です。満席状態で、1人当たりの在店時間は5分未満です。立ち食いのお客さんもいて1時間に12回転以上する。

 店の中に入ってこられるお客さんは毎日来られるヘビーユーザーですから、店長もしくはそれに代わるリーダーはお客さんが毎日食べているものを覚えていて、鍋の前で、肉盛りお玉を構えていて、入ってこられたお客さんの顔を見たら、鍋の喫水線に浮かんでいる肉と玉ネギをすくって、260gのご飯の上にワンモーションで盛り付ける。プレーイングマネージャーですから連続動作をしながら1秒間に数個行うのです。

 吉野家の店長には重要なキーワードが2つあります。それは「目線」と「作業割り当て」です。

「目線」は、センターポジションで皆に作業の指示を出して全体を把握するために目線を効かせていないといけない。その目線はお客さんが入ってくる出入り口まで、ちゃんと把握するために目線を効かせていないといけない。 

 お客さんが入店したら、何個か複数動作で盛り付けながら。その全体把握と作業割り当て、命令をそれぞれの従業員に的確に出していく。

 ついでに話すと、肉盛りお玉の面積と穴の数は、穴の数が少な過ぎるとつゆだくになるし、面積が大き過ぎるとつゆ抜きになる。肉盛りお玉はこれらの経験値による完成形です。このように、道具立てから、キッチンのエクイップメント、チームフォーメーションに至るまで、全部の整合性を作り上げるためにおやじは「10年かかった」と言っていました。

「うまい」ということを一言で言っても、それを形成するためのディテールへのこだわりが存在するのです。

 これを実現するために個々のスキルを高め、それを際立たせた上で、流れるようなチームフォーメーションがないと「満席のときに作りたてのものが15秒で出てくる」ということはなかなかできることではありません。

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最終更新:8/20(火) 17:48
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