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高良健吾インタビュー「映画でなければ、体験できないことがある」

8/20(火) 21:46配信

Numero TOKYO

盲目の愛なのか、暴走した狂気なのか━━。誰からも名前すら呼んでもらえない孤独な人生を送ってきた男が、人生で唯一、幸せだったあの感覚にもう一度触れるために“彼女”を探す。映画『アンダー・ユア・ベッド』で高良健吾は、暴走した男の姿をピュアに、魅力的に演じきった。難しい役柄に向き合う姿勢、撮影中のエピソードに彼の人柄がにじみ出る。

地方ロケでは、息抜きも兼ねた散歩をするのが好き
──映画『アンダー・ユア・ベッド』の撮影期間は2週間。オール福島ロケだったそうですね。

「僕、地方が好きなので、福島ロケと聞いて嬉しかったですし、特に今回の作品は重たいシーンも多く特殊な役柄でもあったので、撮影期間中、作品にどっぷりつかれてありがたかったです。やっぱり、撮影が終わってから自宅に帰って、洗い物や洗濯、掃除をしたりという日常の環境から離れて、自分のものに囲まれていない、ある種、非日常の中で作品と向き合えるというのは、役者にとって大きなことかな、と思います」

──地方ロケでは撮影と向き合う時間が長い分、煮詰まったりしませんか?

「もちろん、煮詰まる瞬間はあるんですけど、地方だからこそ気分転換しやすいというか。知らない土地に短い時間でも暮らしている、というのがすでに気分転換になっている部分がありますし、空いた時間に散歩をして初めての道を歩いて、知らない風景を目にするだけで、十分息抜きになります。僕は小さな頃、転勤族の父についていろんな土地へ行ったので、見知らぬ場所をうろうろするのが好きなのかもしれません」

──今回、地方ロケならでは、というエピソードはありましたか?

「これまでの作品では、キャストとスタッフが別々のホテルに宿泊することが多かったんですけど、今回は、全員が同じホテルでした。なので、撮影が終わったらみんなでホテルに帰って、そこから一緒にご飯を食べに行ったり、朝もみんなで出勤したり。そういう、合宿のようなノリを味わえたのは楽しかったです。泊まったのは、そんなに大きなホテルではなかったのですが、僕らが到着した日はホテルの屋上や上空にカラスが100羽くらいいて、その数の多さにちょっとビビっていたんですけど(笑)。数日したら、撮影隊の一つの作品に向かっていく熱気でホテル全体が活気づいたのか、カラスの姿を見なくなったんですよ。なんか、そういうエネルギーって伝わるんだなって、貴重な体験をさせてもらいました」

──映画では、彼女に固執していく狂気が描かれ、バイオレンスシーンもありましたが、現場の雰囲気は明るそうですね。

「すごく、いい現場でした。年齢的に若い人が多くて熱量もありましたし、笑い合う時間もあれば、深刻なシーンの前には集中できる空気が自然とそこにあったりとか、みんなで現場の雰囲気を作ってくださったので、役者として本当に幸せな時間を過ごさせてもらいました。僕は普段、現場に入ったらまずは自分の準備してきたものを一回演じて、それに対して演出してもらうというやり方が多かったのですが、今回は、今日撮影するシーンについて毎朝のように監督と話し合いました。振り返ってみるとあの時間は、監督の何かを自分に分けてくれるというのか、これまで自分の中になかったものを得たというか。素直に意見をぶつけ合いながら作品を作っていけたことも含めて、これまで役者を続けてきたことへのご褒美のような、そんな感覚がありました」

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最終更新:8/20(火) 21:46
Numero TOKYO

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