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ブラックホールが中性子星を食らう瞬間、初観測か

8/20(火) 17:10配信

ナショナル ジオグラフィック日本版

重力波により史上初の現象を確認、最新データ

 およそ9億年前、あるブラックホールが、宇宙全体に反響するほど大きなげっぷをした。そして8月14日、このときに引き起こされた時空のさざ波が地球を通り過ぎた。これはかつて観測されたことのないタイプの衝突の証拠であり、宇宙の仕組みについて新たな知見をもたらしてくれる可能性がある。

ギャラリー:天の川銀河のブラックホール、波打つ土星の環、ほか2019年6月の宇宙画像12点

 今回観測された現象は「S190814bv」と名付けられており、ブラックホールと中性子星の合体によって引き起こされたと見られている。ブラックホールと中性子星は、どちらも星が爆発した後に残される超高密度の天体だ。ブラックホールと中性子星が連星になることは以前より予想されていたが、さまざまな望遠鏡を使って宇宙を眺めても、実際に観測されたことはこれまで一度もなかった。

 一方で天文学者らは、もしブラックホールと中性子星が合体した場合には、重力波と呼ばれる時空のさざ波を起こすことを期待していた。ふたつの極めて巨大な天体が衝突すれば、重力波が発生することは、アインシュタインの一般相対性理論によって1世紀以上前から予言されていた。

 重力波が初めて観測されたのは2015年である。このときは重力波観測施設「LIGO」が、ふたつのブラックホールが合体したときに発生した重力波をとらえた。つまり、重力波によってブラックホールの合体が観測できたわけだ。以来、LIGOと、欧州にある重力波観測所「Virgo」によって、さらなるブラックホール同士の合体の他、中性子星同士の合体が観測されている。

 LIGOとVirgoはどちらも今回のS190814bvによって発生した重力波をとらえており、もしこれが本当に中性子星とブラックホールの合体であれば、重力波の観測によって確認された大規模な衝突としては3つ目の現象となる。

 LIGOとVirgoは、4月26日にも中性子星とブラックホールの合体の兆候をとらえているが、研究者らは、今回のS190814bvの方がはるかに重要度が高いとしている。4月に観測された信号は、地球からのノイズである可能性が7分の1の確率で存在し、これと類似した偽の兆候は20カ月に1回現れると予測されている。一方S190814bvは、地球のはるか遠くで起こったことがほぼ確実であり、もしもS190814bvと類似した偽の兆候が現れるとしたら、宇宙の年齢よりも長く待たなければならないだろうと、LIGOチームは推測している。

「今回の兆候は大いに期待できるものです」と、米ノースウェスタン大学の物理学者で、LIGOチームの一員であるクリストファー・ベリー氏は言う。「これは本物である可能性が非常に高く、だからこそ時間と手間をかける価値があるのです」

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