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職場でのサポートを8割以上が必要としているが、十分得られていると感じているのは6割

8/20(火) 7:20配信

@DIME

最近は、会社組織における人間関係が希薄化しているとよく言われる。しかし、本当にそうなのだろうか?

そこで今回、従業員規模300名以上の企業において、20~40 代の会社員603名を対象に「職場におけるソーシャル・サポート*実態調査」が実施されたので、紹介していきたい。※グラフありの元記事は下記同タイトルをクリックすることで見ることができます

なお、職場でのソーシャル・サポートの実態を捉えるため、サポート内容を下記の4種に分類したうえで、調査が実施されている。



*ソーシャル・サポート
ウィルズ(Wills,1991)によると「個人が、他者から愛され、大切に思われている、尊敬されている、あるいは相互支援や責任の社会的ネットワークの一員である、などを知覚、経験すること」と定義されている。

8割以上がサポートを必要としているが、十分得られていると感じているのは6割
仕事を進めるにあたって周囲からのサポートをどれくらい必要としているのかについて、「どちらかといえば必要」まで合わせると、4種のサポートのいずれも8割以上が「必要」と回答した。

サポートの十分度はそれを下回り、「どちらかといえば十分」まで合わせると約6割が「十分」と回答し、また、「どちらかといえば十分」を除くと、「十分」との認識は 3割にも満たず、「まったく十分ではない」という人も1割前後いるという結果に。

なお、4種のサポートの中で必要度と十分度の乖離が最も大きいのは、「評価的サポート」だった。



相手によって期待するサポートは異なる
4種のサポートを期待する相手については、サポートの種類によって異なるという結果になった。





「期待はずれだったサポート」と「自分がうまくできなかったサポート」は表裏一体
期待はずれだった上司や同僚からのサポートとして挙げられていた記述は、「知識・スキル不足によるもの」「自分本位、親身になってくれていない、もしくは精神論のみであると感じられるもの」「フォローがなく教えてもらえない」といった、内容、態度、タイミングが期待と異なるといったものが散見された。

また、自分がうまくできなかったサポートについては、「自分の知識・スキル不足によるもの」「相手の期待にそぐわない、ネガティブな反応があった」「遠慮、自分の余裕のなさ、方法の失敗でうまくフォローできなかった」というものが挙げられていた。

これらは表裏ともいえ、サポートされる側・する側のそれぞれの立場から問題点を把握することが、お互いにとって有用なサポートとは何かを考える視点に役立つ可能性が考察できる。





5人に1人は援助要請をしていない
勤務先企業における援助要請行動については、「どちらかといえばしている」という回答も合わせると、4人に3人は援助要請をしている一方で、5人に1人は援助要請をしていないことが明らかに。

援助要請している理由として多く選ばれたのは、「成果をあげる上で必要だから」「他者の意見を取り入れた方が、仕事の質が良くなるから」という成果基準に関する2項目で、過半数が選択した。

次に多かったのは「困ったときにはお互いさま」で3人に 1 人が選択、続いて「信頼関係」「すぐ声をかけられるような執務環境」「協働・助け合いをよしとする職場の風土」といった職場環境に関する回答が多く選ばれていた。

一方、援助要請をしていない理由として多く選ばれたのは、「皆、自分のことで手一杯で、声をかけづらい雰囲気があるから」で、次点は「信頼関係が築けていないから」という結果に。

また、援助要請している理由と同様に、「自分1人で解決した方が、仕事の質が良くなるから」「個人で成果をあげることが求められているから」といった成果基準に関するものも多く選ばれた。

さらに、本人の意識としては、「助けを求めること=能力が低いと思われてしまいそう」といった自尊心を脅かすようなものが相対的に多く選ばれ、「仕事で貢献できていないのに、申し訳ないと思う」「時短の風潮のなかで、他のメンバーの時間を使うことを申し訳ないと思うから」といった遠慮に関するものはあまり選択されなかった。

援助要請行動の有無について、因果は特定できないものの、援助要請している人は、していない人よりサポートの必要度・十分度ともに高く、かつ本人の適応感は高く、孤独感が低い傾向が見られた。

この傾向からは、「思いやりとあたたかさ」「連帯感とチームワーク」「信頼関係」がある職場、「他者の仕事に無関心」「孤立している人がいる」ということがない職場、心理的安全性が高い職場では、援助要請行動をとりやすいことが考察できる。







「5年前より職場の人間関係が希薄化している」と感じているのは、全体の半数弱
職場の特徴と援助要請行動の関係に関連して、職場の人間関係は変化しているのかどうかについて「5年前と比べて職場の人間関係が希薄化しているかどうか」という質問により調査が行われたところ、半数弱の44.6%が希薄化していると回答した。

その属性を確認したところ、男性、年齢が高い、社歴が長いほど希薄化していると回答していることが明らかに。



希薄化を感じる理由として、自由記述回答の中から「労働時間や忙しさ」「業績圧力」「仕事以外の対話機会」「人員構成」に関するコメントを複数確認できた。

希薄化していないという理由の中には「ずっと希薄で変わらない」という意味合いでのコメントも散見されており、上記結果よりも多くの人が、現状、職場の人間関係は希薄であると感じていることが推察される。



職場での人間関係や必要なサポートの獲得について、(1)本人の職場への貢献感 (2)組織の制度や仕組みの2つの観点から概観された。

(1)本人の職場への貢献感
サポート必要度、サポート十分度、援助要請ともに20代の方が総じて得点が高いことが分かった。

また、適応感(力の発揮)への回答結果による群分けをしたうえで結果が分析された結果、20代で力が発揮できているほど、援助を求め、得られる傾向が見られたが、40 代では力の発揮が低い群でのみ、サポートを求めることも、十分に得ることもできていないことが分かった。

さらに、力の発揮ができていない 40代には、職場の希薄化を感じる傾向も。また、20代、40代ともに力を発揮できていない群では孤独感が強いことも明らかになった。



(2)組織の制度や仕組み
人間関係構築や必要なサポートの獲得に役に立っている制度・仕組みとして、導入割合・役立ち度ともに高いものとしては、「上司との定期的な面談」「定期異動・ローテーション」「集合研修・ワークショップ」が、導入割合がそれほど高くはないものの役立ち度が高いものとしては、「社員同士での飲食の金銭的補助」「社員が集まる場所の設置」「社員による自主的な勉強会」「社内コミュニケーションツール」「業務以外の社内コミュニティ」「会社主催の懇親イベント」などが挙げられた。

職場で必要なときに必要なサポートを受けられると思えるかどうか、自分からサポートを求めることができるかどうかは、職場の人間関係や個人の意識と関係する部分も大きいが、全社的な制度・仕組みを通じて、人間関係構築やサポートし合う風土が醸成できる可能性が示唆されていた。



<調査概要>



出典元:株式会社リクルートマネジメントソリューションズ

構成/こじへい

@DIME

最終更新:8/20(火) 7:20
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