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【新刊紹介】脳科学者が教えてくれる:中野信子著『キレる!』

8/20(火) 16:47配信

nippon.com

斉藤 勝久

新刊本を簡潔に紹介するコーナーです。今週は、いろいろな事件を起こすこともある「キレる人」について、脳科学者がメカニズム、対処法などを教えてくれる本。

あおり運転、児童虐待、クレーマーなど、怒りを抑えきれずに社会的な事件も起こす「キレる人」。今の社会ではキレている人を見て、周りの人は不快になる。しかし、人類の歴史は闘いの歴史。闘わない人よりも、うまく闘える人が選ばれてきたのだから、キレる発端の怒りの感情は人間にとって自然なもので、今でも人間にはキレる機能が残っている、と著者は分析する。

日本人はケンカを好まず、キレる人に振り回されることが多い。しかし、相手の身勝手な言動には、時には上手にキレて抵抗する必要があると、著者は説く。

キレを売り物にする人もいる。テレビの売れっ子タレントには、辛口で鋭く突っ込みを入れ、時には怒りの大声をあげる“キレキャラ”が意外と多い。昔からテレビ討論会でも、ここぞという時に怒ってみせる評論家やコメンテーターも少なくない。絶妙なタイミングで上手にキレて、多くの人の心をつかむことに成功している。

キレる脳のメカニズムの説明は、専門家らしくわかりやすい。“安心ホルモン”と呼ばれる脳内の神経伝達物質「セロトニン」が低下すると、落ち込むだけでなく、攻撃性が高まる人が増え、その衝動を抑えられない「衝動障害」も起こりやすくなる。

年配者が怒りっぽくなるのは、老化によるセロトニンの低下も原因だ。セロトニンを増やすには、タンパク質(肉)やナッツを食べ、日光を浴びながら体を動かし、お風呂にゆっくり入るのが効果的、とアドバイスしている。

【Profile】

斉藤 勝久 SAITO Katsuhisa
ジャーナリスト。1951年東京生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。読売新聞社に入社後、社会部で司法を担当したほか、86年から89年まで宮内庁担当として「昭和の最後の日」や平成への代替わりを取材。医療部では著名人が自ら語る闘病記「一病息災」を連載した(医療・健康サイト「ヨミドクター」に収録)。2016年夏からフリーに。

最終更新:8/20(火) 16:47
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