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26年ぶり[劇的なカワサキ鈴鹿8耐優勝の舞台裏]藤原克昭へのスペシャルインタビュー

8/20(火) 18:50配信

WEBヤングマシン

「僕たちは勝利を確信していた」

’93年以来、26年ぶりに鈴鹿8耐優勝を遂げたカワサキ。そのクライマックスは、劇的と呼ぶにもあまりに劇的だった。ファイナルラップでカワサキは転倒。赤旗のまま終わった決勝レース。いったんはヤマハの勝利とされ、その後リザルトが覆り、カワサキ優勝に──。裏側では、何が起きていたのか。そして、なぜ優勝できたのか。アシスタントチームマネージャーという立場で鈴鹿8耐に参戦し、勝利を獲得した藤原克昭さんが真実を語るインサイドレポート。

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●文:高橋剛 ●写真:佐藤寿宏/Kawasaki Motors Europe/Kawasaki Motors Japan

誰が欠けても勝てなかった

「レオンと一緒に、ジョニーを迎えに行きました。ケガも心配でしたからね。僕も元レーシングライダーなので、転んでしまったジョニーの気持ちは分かる。ケアしてあげようと思って……。

ジョニーは泣き崩れてました。慰めようがなかった。とりあえずケガがなかったので安心はしましたが、何とも言えなかった。チームのスイートルームに戻って、僕はドロドロになったレーシングスーツやブーツをウエスで拭きました。

完全に負けたと思ってた」

【藤原克昭 Katsuaki Fujiwara】

全日本ロードや世界GP、スーパーバイク世界選手権、スーパースポーツ世界選手権、そして鈴鹿8耐など幅広いカテゴリーで活躍。’11年にはアジア選手権SS600ccでタイトルを獲得した。’14年に現役を引退し、アドバイザリースタッフなどを経て、現在はカワサキモータースエンタープライゼス(タイランド)でマーケティング部長を務めている。

――7月28日、午後7時28分。鈴鹿8耐は、トップを走っていたカワサキレーシングチーム鈴鹿8Hのジョナサン・レイがファイナルラップを迎えていた。あと2分足らずでチェッカーフラッグが振られる。後続は20秒以上後ろにいる。優勝が目前だったS字コーナーで、レイは転倒した。

数分前に、スズキエンデュランスレーシングチーム(SERT)のマシンが白煙を上げた。路面にオイルが出ていてもおかしくはない。ただ、その30分ほど前から小雨もぱらついていた。さらにレイ自身も、転倒の1周前に同じ箇所を何事もなく通過している。転倒の理由は、はっきりとは分からない。

ただひとつ確実なのは、ゼッケン10をつけてトップを走っていたカワサキニンジャZXー10RRが転倒し、マシンを止めたという事実だった。

直後に赤旗が掲出され、レースはそのまま終了となった。チェッカーフラッグが振られないレースは、どのチームが勝ったのか判然としなかった。

鈴鹿サーキット全体がクエスチョンマークで満たされている中、レイが転倒するまで2番手を走っていたヤマハファクトリーレーシングチームの優勝がアナウンスされた。

ヤマハのライダーたちが表彰台の頂点に立った、その影で――。

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最終更新:8/20(火) 18:50
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