ここから本文です

『なつぞら』中川大志「“一緒に”頑張ろう」に込められた夫婦の在り方 なつのために坂場が奮闘

8/20(火) 12:36配信

リアルサウンド

 麻子(貫地谷しほり)が坂場(中川大志)に提案したのは、彼女が興したアニメーション製作会社(マコプロダクション)のテレビ漫画の企画に参加しないかということだった。

【写真】富士子(松嶋菜々子)の来訪に驚く坂場(中川大志)

 なつ(広瀬すず)はその話を聞き、「こんな良い話ないでしょ!」と喜ぶ一方で、坂場本人は二つ返事でそのオファーを引き受けようとは思えない様子。なつ自身や生まれる子供のことを考えると、自分が働くことで生じる負担を心配せざるをえないのだった。『なつぞら』(NHK総合)第122話では、なつと坂場が今後の自分たちについてそれぞれに考える姿が描かれた。

 ところで、麻子、なつ、坂場がテーブルを囲む場面では、マコプロダクションが目指す会社のあり方についても麻子の口から語られた。夫との間に子供ができなかった麻子は、夫と相談して自由に好きなことをしていこうと決めたという。そしてその麻子が興したプロダクションでは、女性のアニメーターが親になってからも安心して働ける場所にしたいという思いが彼女にはあるのだった。

「“一緒に”頑張ろう」

 坂場はかつてなつにそう言っていたわけであるが、彼は有言実行の人であった。なつはある日、坂場が何度も茜(渡辺麻友)が暮らす家を訪れていたことを茜本人から知る。そこで彼はおむつの取り替え、ミルクの作り方、おむつの縫い方などを自分から勉強していたのだった。いかにも坂場らしい一面である。坂場はまさしく“一緒”に頑張るという思いのもと、自分ができることを一つ一つ探しては、少しでもなつ、そして子供のことのために汗を流していたのである。どちらか一方だけではなくて、“一緒に”。

 そしてある晩、坂場はなつに麻子のところで働くつもりであることを打ち明けた。麻子や下山(川島明)が準備を進めるマコプロダクションに実際に足を運んだ坂場。自分なりに出した結論なのだろう。ただ、麻子たちと働くまで1年は待ってもらうことにしたという。生まれたばかりの赤ちゃんを預けられる場を見つけるのはなかなか難しい。でも、1年くらい待てば預けられる保育園もあるかもしれないという考えである。

 働くことを打ち明ける場面で印象的だったのは、坂場がなつに伝えた「僕にもまだ、君が言うようにアニメーションに挑戦したいという気持ちはあるんだ」という台詞である。子供のことは、なつも坂場ももちろん大事である。ただ、子育てと同時に、夫婦それぞれがやりたいことをして、充実した人生を送るということもまた大切なことであろう。家族と仕事、それぞれに自分たちなりに向き合おうとする2人。決して平たんな道のりではないかもしれないが、ぜひ理想の形を実現してほしいものである。

國重駿平

最終更新:8/20(火) 12:36
リアルサウンド

記事提供社からのご案内(外部サイト)

リアルサウンド

株式会社blueprint

音楽と映画を対象とする総合カルチャーサイトです。各ジャンルのニュースから、第一線のライターによる作品レビュー、業界分析記事まで、多彩な記事をお届けします。

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事