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高まる景気後退への懸念、トランプは「陰謀説」を主張

8/20(火) 17:30配信

Forbes JAPAN

米国の株価は8月19日も、前週末から引き続き上昇した。それでも中国との貿易戦争に関する懸念は、投資家たちを安全資産へと駆り立てている。また、連邦準備制度(FED)に対しては、経済成長を維持するための行動を取るべきとの圧力が強まっている。

つまり、全体的に見て、リセッション(景気後退局面)入りへの懸念はくすぶり続けているということだ。そして、ドナルド・トランプ米大統領はそうした見方を、自身の政権に対する陰謀だと考えている。

米紙ニューヨーク・タイムズによれば、トランプは側近らに対し、パウエル議長や各国、メディアが自身の再選に向けた努力に水を差すため、経済を「操作している」と言い張っている。トランプが新たに主張し始めたもう一つの陰謀説だ。

リセッション入りは来年?

米国では8月初め、株価が2019年に入って最悪の水準となる下げを記録した。だが、貿易問題に関する警戒感が和らいだことを受け、19日は前週末から続伸で取引を開始した。

一方、19日に発表された米国のエコノミストを対象とした調査によれば、回答者の38%は、トランプ大統領による関税引き上げと財政赤字の拡大により、自国は2020年にリセッション入りすると予想している。また、貿易を巡る不確実性と世界的な経済成長の鈍化を懸念する投資家の間ではこのところ、金や日本円への逃避買いが目立っている。

こうしたことは全て、米連邦準備制度理事会(FRB)のジェローム・パウエル議長はリセッション入りを回避するための行動を取るべきとの圧力につながっている。

同議長は23日に講演を行う予定。今後の利下げに関する方針をうかがわせるものになる可能性もあり、注目を集めるものとなるだろう。トランプ大統領は、景気刺激策としての利下げを強く要求している。

対策は困難か

景気が後退局面に入るきっかけは大抵、バブルの崩壊だ。2000年代初めのドットコムバブルの崩壊や、2007~08年のサブプライム住宅ローン危機を端緒とする米国のバブル崩壊などがその例だ。

現在は貿易問題を巡って高まった米中間の緊張が、世界各国の企業トップらに「様子見の態度」を取らせ、設備投資が減少していることが重大な要因となっている。世界市場の不確実性は、失業の増加や消費者マインドの悪化を招く可能性がある。そして、それらは経済の縮小につながる。

トランプ大統領が景気刺激を目的とした法律を成立させたいとすれば、議会の協力を得る必要がある。だが、米社会を分断させる発言を繰り返す同大統領が、野党・民主党員の支持を得るのは難しいだろう。

実際にリセッションに入った場合、米国はどのようにその状況と闘っていくのだろうか。今のところ、その方法は明らかではない。

Lisette Voytko

最終更新:8/20(火) 17:30
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