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デュアルディスプレイで4K有機ELも搭載、ASUS“ZenBook Pro Duo” の画質を体感

8/20(火) 15:56配信

PHILE WEB

ノートPCのディスプレイにも、高画質化の波が本格的に押し寄せている。今年に入り、Dell、HP、GIGABYTEといったPCメーカーが、続々と4K有機ELディスプレイ搭載モデルを発表しているのだ。そして本日、同じく日本市場で大きな存在感を持ちつつあるASUSからもブランド初の4K有機ELディスプレイを採用した、クリエイター向け15.6型ノート “ZenBook Pro Duo” が国内発表された。

この4K有機ELディスプレイでAV的に特筆すべきは「DisplayHDR 500 True Black」に準拠している点。これは、たんにHDR信号を受けられるだけに留まらず、輝度や色域、応答速度などのスペックがHDRのポテンシャルを一定以上引き出せる水準にある、と業界団体のお墨付きを得ていることを意味する。実際、コントラスト比100,000:1、応答速度1ms、視野角178度、色域はDCI-P3 100%/sRGB 133%をカバーといった数値は、ノートPCのディスプレイとしては破格と言っていい。見た目も、ベゼルが狭く映像への没入感を妨げないデザインとなっている。

4K有機ELディスプレイを搭載しているというだけでも、視認性の高さや映像鑑賞用途では魅力的だが、ASUSはさらなる要素をプラスして他社との差別化を図った。それが、キーボードやタッチパッドを本体下部にギュッと濃縮し、空いたスペースに詰め込んだ、解像度が3,840×1,140と“縦半分” の4K液晶「ScreenPad Plus」だ。

ASUSは、過去のノートPCでもタッチパッドに小型液晶ディスプレイを内蔵する「ScreenPad」という技術を搭載していたが、「ScreenPad Plus」はその発展型として、完全なタッチ操作対応セカンドディスプレイとして使えるようになっている。セカンドディスプレイ用メニュー画面から、ショートカットキーやテンキーなどの独自アプリを呼び出せるほか、メインディスプレイのウインドウをコピー/移動したり、付属のタッチペン(ASUS PEN)で手書き入力ができたりする。


この2枚の高解像度ディスプレイを駆使すれば、複数の情報やツールを一度に、かつ見やすく表示することができる。ZenBook Pro Duoの場合、メイン/セカンドディスプレイとも高解像度で、特にメインディスプレイは画質にも優れた4K有機EL。とりわけ写真の現像や動画編集を行うユーザーにはいろいろと使い出がある。例えば、写真のギャラリーをセカンドディスプレイに表示し、編集をメインディスプレイで行うとか、動画編集ソフトのツールバーをセカンドディスプレイに並べるといった用法だ。

その他にも、ゲーミングモデルと謳っているわけではないものの、メインディスプレイでゲームをプレイし、セカンドディスプレイにゲーム配信ツールや配信サイトのコメント欄を表示するゲーム配信用途や、高解像度によりテキストもクッキリと読みやすく、セカンドディスプレイでメーラーや資料を表示しながら文書作成するビジネス用途でも活躍が見込めるだろう。

ディスプレイ2枚へ同時に高解像度表示をするならば、映像処理と出力をつかさどるパーツも相応の性能が必要だが、ZenBook Pro DuoではNVIDIAのGPU「GeForce RTX2060」を搭載することで対応している。NVIDIAの現行ラインナップでは中堅どころのモデルで、ZenBook Pro DuoではこのRTX2060とCPUが内蔵するグラフィックスを状況に応じて自動で切り替え、消費電力と表示性能のバランスもとっている。

ここからは、ASUS JAPANからお借りしたデモ機を通じて、4K有機ELディスプレイのビジュアル面をかんたんにレポートしていきたい。お借りしたのは上位モデルの「UX581GV-9880」で、CPUはインテル「Core i9-9980HK」、メモリは32GB、ストレージはSSD 1TBとグラフィック以外もハイスペックとなっている。

まず、4K HDR動画コンテンツとして、明暗差の大きな深海を取り扱うNETFLIXオリジナルコンテンツ『OUR PLANET』第6話を観た。深海に住む生物を、探査艇が強いライトで照らしつつ紹介していくのだが、ある種の深海生物が持っている透明な器官は、SDRでは強い光により白っぽく濁って見えてしまう。しかし、Windows 10のHDR設定を有効化し、4K HDRとして読み込み直すことで、透き通るような透明感や、反射率の高い部位が宝石のようにまばゆく輝くさまが知覚できるようになる。ライトの当たらない暗い部位の描き分けも細かい。これが一般的な液晶ディスプレイなら、コントラストやガンマの設定をいじって黒を浮かさなければ判別できないはずだ。

高速で動く物体を観てみようとピックアップした4Kコンテンツ『Formula 1:栄光のグランプリ』では、時に数百キロを超える速度でコーナリングするF1カーの車体も、ドライバー視点の車載カメラが映す超高速で流れていく風景も、無理なく自然に目で追いかけられる滑らかさだ。ちなみに、実のところあまりF1に詳しくない筆者は、セカンドディスプレイ上でドライバーやチームのプロフィールを検索しながら、いちいち再生を止めることなく視聴していた。単純な動画視聴でも、デュアルディスプレイの便利さが感じられたシーンだ。

さて、NETFLIXの動画コンテンツだけでも表示の緻密さや発色の良さ、残像感の少なさといった4K有機ELディスプレイの強みが実感できたが、そうした強みが活きるコンテンツとして他に思い当たるのが、すばやく動くキャラクターを追いかけ激しい視点移動をおこなうPCゲーム。本モデルはゲーミング向けという訳ではないが、PCゲームも何タイトルかプレイしてみた。

フルHD/グラフィック高設定/フルスクリーンモードでプレイしたFPS『Apex Legends』では、美しい映像表示が視認性の高さにも直結し、対戦相手が遠くの岩陰からチラッと姿を見せたほんのわずかな動きも明瞭にとらえることができた。また、フルHD/グラフィック高設定/HDRモードのアクション『Monster Hunter: World』では、陽の差し方までリアリティを増しつつある近年のゲームグラフィックの進化ぶりがストレートに楽しめる。

それでは、4K有機ELディスプレイを十二分に活かすべく、グラフィック設定を4K解像度に上げるとどうだろう? と試してみたが、さすがに4Kの描画負荷ともなるとRTX2060では荷が重いようだ。

上にあげたような動きの激しいPCゲームタイトルでは、1秒間の表示コマ数(fps)が60fps以上を維持できることがスムーズにゲームをプレイするための基準と言われている。ところが4K解像度にすると、たとえば『Apex Legends』では解像度以外の画質設定をすべて最低にしても40~50fps前後にとどまる。さらに、近くで煙幕や爆発などが起こると、瞬間的に20fps付近までガクッと落ちてしまう。

この状況は、ScreenPad Plusをオフにしてもほとんど変わらない。激しい動きを滑らかに安定して表示したいゲームでは、解像度よりテクスチャーの緻密さやアンチエイリアスなど他のグラフィック設定を充実させる方が、快適なプレイと美麗な画質、視認性をバランス良く確保できるだろう。反面、そこまで高fpsを必要としないゲームタイトルやソフトウェアでは、4K解像度設定で緻密な描画を追求しても良いかもしれない。

4K有機ELディスプレイだけではまだ足りないとばかりに、キーボードを押しのけてまで2枚目のディスプレイを搭載したデザインは、はじめて見ると奇をてらったようにも思える。しかし、使ってみれば4K有機ELによる画面の美しさと見やすさ、デュアルディスプレイならではの実用性がしっかり感じられた。続々登場する4K有機EL採用ノートPCの中でも、ZenBook Pro Duoは画質プラスアルファの要素を盛り込んだことで、独自の存在感を備えたモデルに仕上がっている。

編集部:成藤 正宣

最終更新:8/20(火) 15:56
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