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裁判所の内部文書から判明! 最高裁が隠蔽する「GPS捜査令状報告書」

8/20(火) 8:33配信

HARBOR BUSINESS Online

 2017年3月16日、坂口正芳警察庁長官は記者会見で「今後、GPS捜査は行わない」と述べた。前日、最高裁大法廷でGPS捜査を全面禁止する判決が言い渡されたことを受けてのものだ。しかし長年、GPS捜査を続けていた警察庁は、「裁判所の令状さえ取得すれば、今後もGPS捜査は認めてもらえる」と楽観視していた。

⇒【画像】最高裁が全国の裁判所に対し、GPS捜査に関する令状請求の実態調査を指示した電子メール

 なぜ、かくも厳しい判決が言い渡されたのか。その真相が、筆者が入手した裁判所の内部文書から判明した。最高裁はGPS捜査に関する令状請求の実態調査を行い、大法廷判決の参考としていたのだ。ただし、このような実態調査は「裁判官の独立」を脅かす憲法違反であるという批判も起きている。

最高裁が「GPS捜査は違法」と判断

「GPS捜査」は、警察が事件関係者の車両にGPS発信器を取り付けて行動を確認するもの。2000年代はじめから警察庁が全国の警察を指揮監督して秘密裏に行わせてきた。

 しかし2010年代に入ると、事件関係者がGPS発信器を発見し、後日の刑事裁判で「違法捜査」と争われるケースが相次ぐようになる。地裁・高裁の段階では、「違法」とする判決と「適法」とする判決が半々だった。

 これに決着をつけたのが2017年3月15日の最高裁大法廷判決。寺田逸郎裁判長(最高裁長官)は「GPS捜査に関する法律がつくられない限り、同捜査は行えない」と判断した。

「GPS捜査は個人の行動を継続的、網羅的に把握し、プライバシーを侵害しうる。このような捜査は裁判所の令状がなければ行うことはできない。しかし、刑事訴訟法が規定する令状でGPS捜査を行うことには疑義がある。立法的な措置が講じられることが望ましい」(寺田裁判長)

 大法廷判決の前段である「GPS捜査は、裁判所の令状なしで行えない」は、警察庁も想定していたと思われる。というのは、大法廷判決が言い渡される半年前の2016年9月に、警察庁は「GPS捜査は裁判所の令状を取得して行う」と方針を転換していたからだ。

 しかし、大法廷判決の後段である「新法がなければ、GPS捜査は行えない」は想定していなかったと思われる。最高裁の厳格な判断の裏に何があったのか――。

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最終更新:8/20(火) 8:33
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