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訪れた店は数百軒! 町中華探検隊隊長・北尾トロが語る、消えゆく日本の食レガシー「町中華」の楽しみ方

8/20(火) 6:00配信

週プレNEWS

赤いのれんに出前で使うスーパーカブ、厨房には中華鍋を振るオヤジと化学調味料、壁に張られたメニューには、ラーメン、餃子、シュウマイ、チャーハン、天津飯といった定番が並ぶ。

近頃、そんな昭和のたたずまいが残る昔ながらの中華料理屋が、「町中華」として雑誌やテレビで取り上げられることが増えた。しかし注目される一方で、経営者の高齢化もあって、町からは次々と姿を消している。

「町中華は消えていく食文化かもしれない。だから、今のうちに食べ歩いて記録しておこう」

ライターの北尾トロさんは、学生時代から知っていた中華料理屋の閉店を機に「町中華探検隊」を結成。数百軒の町中華を訪れて、その起源から黄金期、今に至る経緯について関係者への取材などを基にまとめたのが、『夕陽に赤い町中華』だ。

働く男の胃袋を満たしてきた日本の食レガシー、町中華。チェーン店では決して味わえない、その楽しみ方の神髄をトロさんにたっぷり伺った。

* * *

──本書を開いてまず驚くのが、町中華は「おいしすぎたら困る」と書かれていることです。衝撃的な価値観です。

トロ 味はあまり重視していません。好みは人それぞれで、味について書いたりするのは興味がない。食べログなんかに載らない情報をいかに観察するかっていうところなんです。

──トロさんが注目するのはどんな点なのでしょう。

トロ 町中華は、小さなライブハウスだと思ってください。町でライブハウスに出くわすと、まずたたずまいを見ます。町中華なら、のれんや看板がそれに当たります。ほかに伸び放題の鉢植えとか。あとは店名ですね。できれば「なんとか軒」「なんとか亭」がいい。

そういう「町中華ポイント」に味わいを感じたら、もう呼ばれたも同然です。店に入ったら、カウンターや小上がりなど席の配置を見ます。カウンターの厨房がよく見える席が、ライブハウスでいうところのアリーナ席です。運良くそこに座れたら、オヤジの調理をじっと見るわけです。

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最終更新:8/20(火) 6:00
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