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「ガリガリ君より売れてない」 自虐ネタで売り上げ伸ばすアイス

8/20(火) 6:00配信

日経クロストレンド

 個性的なネーミングを武器にブランド力を向上させ、売り上げ増を実現する──そんな手法を事例を基に考える特集の第3回。赤城乳業のアイス「ガツン、とみかん」は、20年の歴史を持つロングセラー。それが再び売り上げを伸ばしたプロモーションは、自虐的なキャッチフレーズが鍵だった。

 「ガツン、とみかん」は、みかんの果肉と果汁がたっぷり入ったアイスキャンディー。5本セットのマルチパックタイプと小分けのバータイプがあり、みかん以外の果肉を使った姉妹商品も販売している。20年以上の歴史を持つロングセラー商品で、インパクトのある名前と力強いロゴが特徴だ。

 そんなガツン、とみかんが2018年4月、「ガリガリ君より売れてないのに20周年キャンペーン」をスタートした。公式Webサイトやツイッターで、「ガツン君」というキャラクターを主人公にした漫画などを公開しながら、年間を通してプロモーションを行った。18年夏には、お笑いタレントのヒロシが、「ガツン、とです。先日、『私はガリガリくんよりもガツン、とみかんが好き』って言ってくれる人がいました。でも、売れていないとです」と語るテレビCMを制作。お茶の間の笑いを誘った。

 このキャンペーンをきっかけに、ツイッターでは「私はガツン、とみかんが好きだよ」「ガツン、頑張れ」などの応援ツイートが多くつぶやかれるようになった。公式ツイートがリツイートされたり、ガツン君のキャラクターが人気になったりしたことで、ガツン、とみかんの売り上げも伸びた。

 キャンペーン前の17年とキャンペーン後の18年では、マルチパックの売り上げが20%増加したという。一般的に冷菓製品が売れないといわれている秋~冬も好調で、18年10月の売り上げは前年比50%増を記録した。

 こうした反応を受けて、19年のテレビCMでは、ヒロシのセリフを「去年の夏、『ガリガリ君より売れてません』と言ったら、なぜかちょっとだけ売れるようになりました」に変更。公式HPやポスターには、引き続き「笑おう。ガリガリ君より売れてないけど…」「今年もやっぱりガリガリ君より売れてません。」といった自虐的なフレーズを打ち出している。

●ガリガリ君という大きな存在

 「ガリガリ君」ほどの売り上げはないものの、ガツンと、みかんも長年愛されてきた人気商品。だからこそ「ガリガリ君より売れてません」というコピーが笑いを誘うのだが、「売れていない」という言葉に対してネガティブな印象を抱く人もいるだろう。社内に反対する人はいなかったのか。

 「このキャッチフレーズを思い付いたそもそものきっかけは、社長の『ガツンと、みかんはガリガリ君よりも売れていないから、何をしてもいいぞ』という一声だった。自由にやっていいんだ、と思い、『ガリガリ君より売れてないのに20周年キャンペーン』という案を提出した」(営業本部マーケティング部副主任の中島一輝氏)。一部の社員からは、『本当にこれでいいのか』という戸惑いの声もあったが、すでに社長からのOKが出ていたため、キャンペーン案はすんなりと通ったという。

 次に考えたのが、同キャンペーンのプロモーションだ。実は、赤城乳業の社員は自社の知名度が低いことに悩んでいた。「赤城乳業と名乗っても、どんな会社か分かってもらえないことがある。けれども、『ガリガリ君を作っている会社です』と言うと、『ああ、あそこか』と分かってもらえる」(中島氏)。社名よりも、ガリガリ君の知名度のほうが高いというのだ。その傾向は関東から離れるほど強くなるという。

 まずは赤城乳業という会社があり、その会社がガリガリ君という有名な商品を作っている。そして、ガツン、とみかんはその2番手の商品である。この相互関係をしっかりとアピールしたいという思いがあった。

 そこで思い付いたのが、ガツン君というネガティブ思考のキャラクターを作ることだ。このキャラクターを通してガツン、とみかんの立ち位置を説明し、これら3者の関係を理解してもらおうと考えた。

 漫画は、「ガリガリ君より売れていない」「別フレーバーの存在が知られていない」「パッケージではなぜか青空に浮かんでいる」などの自虐ネタで、閲覧数を伸ばした。同時に、同シリーズの別フレーバーをモチーフにした仲間たちも登場させることで、みかん以外の味もあることをアピールしていった。

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最終更新:8/20(火) 6:00
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