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ダイソーの超本格100円コスメ 僅か2カ月で400万個突破

8/20(火) 6:00配信

日経クロストレンド

 100円ショップ大手の大創産業が、業界初の本格コスメブランドを立ち上げた。1品100円という格安価格らしからぬデザイン、クオリティー、そして約100アイテムの圧倒的な商品展開で、若い女性がこぞって購入している。その常識破りの戦略とは?

【関連画像】売り切れ続出の「9色アイシャドウパレット」

 2019年4月末、「ダイソー」の全国各地の店舗で大異変が起きた。店頭で一斉に売り出した新コスメシリーズに若い女性客が殺到し、爆発的な売れ行きを記録したのだ。

 そのブランド名は「URGLAM(ユーアーグラム)」。全98アイテムの総売上数は、発売後僅か2カ月で400万個に上り、特に売れ筋となった「9色アイシャドウパレット」は品切れでしばらく店頭から姿を消すほどになった。以前からダイソーをはじめ他の100円ショップでも化粧品は人気の定番商品だが、これほどの売れ行きは異例だ。

 ただし、この大ヒットは偶然起こったわけではない。その裏には、ダイソーによる従来の100円コスメの概念を覆す常識破りの戦略があった。

●100円なのに「本格」、ブランド推し

 ここで時計の針をおよそ1年前、18年春に戻そう。当時、ダイソーでは化粧品の売り上げをどのように伸ばすかが課題になっていた。「若い女性の間でプチプラ(低価格)のコスメが人気になっており、市場には追い風が吹いている。しかし、ダイソーのコスメは際立った特徴、要はパンチがないことが悩みの種だった」と、大創産業の化粧品バイヤー、土居早織氏は話す。

 そこで思い立ったのが、100円コスメでありながら“本格的なブランド”を立ち上げる戦略だ。従来の100円コスメは、ブランドは冠しているものの、それを前面に押し出す売り方はしてこなかった。「ダイソーのメークブラシ」「セリアのマスカラ」というように、認知度の高い社名が前面に出て、ブランド名はいわば脇役。あってないようなものだった。

 ダイソーはそこにチャンスを見いだした。つまり、100円ショップで本格的なコスメブランドを立ち上げ、競合他社と圧倒的な差別化を図る作戦だ。実は、ダイソーでは他の商品群でブランド化を図り、ヒットを生んだ成功体験がすでにある。それが17年に立ち上げたキッチン雑貨ブランド「allure(アリュール)」だ。allureブランドの下、メラミン食器、鍋敷き、カップなどを展開。「安いのにかわいすぎる」などと大人気を博し、今も売れ筋となっている。

 そのコスメ版がURGLAMだ。まずは、これまでの100円コスメであいまいだったターゲットやコンセプトをはっきりさせることから始めた。「ターゲットの年齢は10~20代の女性、コンセプトは『セクシー&ヘルシー』。いわば、米国の西海岸で毎日体を鍛え、食生活にも気を配るトレンド感のある女性が使うようなコスメ……など。今どきの若い女性が求める理想の姿を言語化して、そのコンセプトに合ったロゴや商品、パッケージを企画、開発していった」(土居氏)という。

 その結果、パッケージは黒で統一され、力強く、大人っぽいイメージのデザインに。かわいさを追求して、ともすれば“子供っぽい”既存の100円コスメとは、真逆のブランド像を打ち出したのだ。

 加えてこだわったのが、商品の種類を豊富にそろえること。それらを集積させて売り場で大々的に展開することだ。アイテムは、アイブローペンシルから、マスカラ、ブラシ、アイシャドー、リップスティック、チーク、パウダー、ネイルカラーまで、総合的に取りそろえ、その数は実に98種類に及ぶ。つまり、顔のメークに関連する化粧品は、URGLAMのブランド1つで、これでもかというほどそろえた。

 売り場では、その充実のラインアップで什器(じゅうき)を丸々使って展開し、URGLAMのPOPを使って「ブランド推し」で販売。来店した女性客を売り場に引き付けるとともに、1度に複数のアイテムをまとめ買いしやすくした。この目立つ売り場と、ワンストップですべてがそろう網羅性に若い女性が反応し、大ヒット商品の称号を手にしたのだ。

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最終更新:8/20(火) 10:51
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