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世界のイケてるビジネスパーソンに大人気!「Slack」が口コミで広まる理由

8/21(水) 17:00配信

クーリエ・ジャポン

近年では当たり前になったビジネスチャットだが、米国発の「Slack(スラック)」ほどファンがいるビジネスソフトは珍しいだろう。普通ならば愛着が湧くようなものではないはずだが、同社はどのようにしてユーザーの心を掴み、日本市場に切り込んだのか。

いっこうに結論が出ない、長いだけの不毛な会議。返信してもすぐに溜まっていく、大量のメール。ほとんど意味のない仕事のせいで、私たちの生産性が損なわれていることは、経営学者のピーター・ドラッカーが指摘しているだけでなく、さまざまな調査結果からも明らかになっている。

そんな状況を変えようとしているのが、アメリカ発のコミュニケーションツール「Slack(スラック)」だ。 2014年2月のサービス開始からわずか20ヵ月で170万人ものユーザーを集め、現在は150以上の国と地域で1000万人のアクティブユーザーを持つ。

驚くのは、大規模なマーケティング活動をしたわけでもないのに、「勝手に売れていく」ことだ。米「ファスト・カンパニー」誌によれば、新規顧客のなんと97%が口コミで使いはじめたという。本国アメリカでは、友人や同僚などからSlackの評判を聞き、自分のチーム内でも無料版を導入する人が多かったそうだ。

そうしたアリーアダプターの評判の高さもあってか、2015年には米「インク」誌の読者がその1年で最も注目した企業を選ぶ「カンパニー・オブ・ザ・イヤー」で1位に、ファスト・カンパニー誌が毎年選出している「最も革新的な企業ランキング」でも10位に選ばれるなど、さらに注目を集めることになった。

そしていま、日本のビジネスシーンでも同様の現象が起きている。Slackが日本に上陸したのは、2017年3月。日本法人の設立前に営業担当が1人でスタートし、わずか1年で50万人のユーザーを獲得した。現在では、「ヤフー」や「クックパッド」「ディー・エヌ・エー」などのテック系企業から、自動車部品を製造する「武蔵精密工業」やおにぎりせんべいで知られる菓子メーカー「マスヤ」といった老舗企業までが、Slackを導入している。

仕事のメールは、たとえ社内のやりとりであっても「お疲れさまです」で始まり「よろしくお願いいたします」で終わるといった形式が付きまとう。だが、Slackを使えば1対1やグループ間で無駄な定型文を省いたシンプルな会話ができる。チャットを開くと、「失敗なんて人生の味のモト」と、Slackボットが気の利いた一言で迎え入れてくれるし、仲間の発言に対して絵文字で簡単にリアクションできるだけでなく、自分たちでオリジナル絵文字も作れたりと、遊び心も満載だ。

自分たちでチャンネルをカスタマイズして設定できるCourtesy of Slack
お堅くないうえに「Slack(緩める・怠ける)」という名前からして、日本企業、とくに大企業では受け入れてもらうのが難しいように思えてしまう(本来は創業者が「コミュニケーションの緊張を緩めてリラックスさせたい」という意図でつけたそうだ)。それが、なぜこれほどスムーズに浸透したのだろうか。その理由を「Slack Japan株式会社」カントリーマネジャーの佐々木聖治(ささき せいじ)はこう説明する。

「日系の大企業で働いている方のなかにも、常にアンテナを張って、変化を求めている人がいるんですよ。そうした感度の高い人が、Slackの無料版をご自身で使いはじめる。そうすると、やっぱり周りにファンがどんどん増えてくるんです」

さらに、企業が「働き方改革」を推進しなくてはいけないという事態に直面し、さまざまな方法を模索するなかで、Slackにたどり着くというケースも増えているという。そして、実際にSlackを導入したことで、ミーティングの時間が短縮されたり、会議そのものをSlack上のチャンネルで済ませてしまうことができたりして、「働きやすくなった」ことを実感する。

「もうSlackなしでは仕事が進まない」という感想もよく聞くのだと、佐々木は言う。

Slack Japan株式会社のカントリーマネジャーを務める佐々木聖治

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最終更新:8/22(木) 15:04
クーリエ・ジャポン

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