ここから本文です

阪神のオマリーが、移籍先に同リーグのヤクルトを選んだ理由とは?/平成助っ人賛歌【プロ野球死亡遊戯】

8/21(水) 10:59配信

週刊ベースボールONLINE

当初はイケメンの顔のみ注目も

「君は野茂を見たか!?」

 そんな野球応援コミックが掲載された『週刊ヤングジャンプ』1991年(平成3年)4月18日号では表紙にパ・リーグ6球団のマスコットイラストと「燃えろ!’91プロ野球」というタイトルが踊り、なんと一冊220円にもかかわらず、セ・パ公式戦チケット165組330名プレゼント企画を実施した渾身のプロ野球開幕特集が組まれている。

 前年、ルーキーながらも投手8冠を独占した野茂英雄(近鉄)と落合博満(中日)のオールスター戦での対決を取り上げた読み切り漫画に加え、保存版「’91プロ野球大名鑑」を12球団分掲載。当時スキャンダルの渦中にいた桑田真澄(巨人)へのインタビューでは「人生はお金じゃあないですよ……」なんて際どい発言を引き出し、巻頭カラーページの新生ブルーウェーブ誕生秘話ではグリーンスタジアム神戸が「バックネット裏最上段に観戦レストラン、男性DJの登場で日本初のエンターテインメント・スタジアム」と紹介されている。

 さらにロッテを人気球団にしようというテーマで「ロッテオリオンズ大改造計画」をアイドル高橋由美子が担当。しかもその内容が「いつかドームでコンサートをやってみたいという由美子ちゃん、川崎球場をドームに!!」とか、「M・C・ハマーより楽しそう金田監督のカネやんダンスを復活!!」と今なら炎上必至の攻めた方向性で、ダメ押しのように由美子ちゃんが始球式をする川崎球場での試合に30名をご招待&年間を通して内野席無料のロッテ球友会会員権も30名にプレゼントとやたらと気前のいいバブリーな雰囲気だ。好景気はすでにピークを過ぎていたが、プロ野球と雑誌の黄金時代だからこそ実現した超大型コラボ企画である。

 さて、その新戦力分析のカラーグラビアで紹介される新助っ人選手のひとりが、阪神のトーマス・オマリーである。しかも寸評は「守備ははっきり言って上手いが、バッティングは非力だ」と最低の総合評価Cがつけられている。若手時代はサンフランシスコ・ジャイアンツでレギュラー起用され年間100安打以上放ったシーズンもあったが、6球団を渡り歩き通算13本塁打と伸び悩み、30歳での日本行き。今となっては信じられないが、野球の実力よりロバート・レッドフォード似のイケメンばかりが注目されての来日だった。阪神関係者も「彼は独身だし、女性ファンの歓迎会をやったら面白いだろうね」なんて人気先行の売り出し計画を披露。同僚のマーベル・ウインの方がメジャー経験も豊富で、中村勝広監督からは期待されていたのである。

1/4ページ

最終更新:8/21(水) 12:17
週刊ベースボールONLINE

記事提供社からのご案内(外部サイト)

週刊ベースボールONLINE

株式会社ベースボール・マガジン社

野球専門誌『週刊ベースボール』でしか読めない人気連載をはじめ、プロ野球ファン必見のコンテンツをご覧いただけます。

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事