ここから本文です

この秋、ゴッホが上野にやってくる!

8/21(水) 11:55配信

Casa BRUTUS.com

これまで何度も行われてきた国内のゴッホ展。その多くはゴッホの故郷、オランダの所蔵作品が中心となっていた。今回は10か国·地域の25か所から、これまで紹介されることが少なかった貴重な作品がやってくる。

37年という短い人生を送ったフィンセント・ファン・ゴッホ(1853年~1890年)。没後、その強烈な色彩と筆致で彼の作品は多くの人々を魅了し続けてきたが、実は、彼が画家として活動したのはわずか10年間にしか過ぎない。その彼の画家としての人生を丹念に追うのが、10月11日から〈上野の森美術館〉ではじまる『ゴッホ展』だ。

ゴッホが画家になることを決意したのは27歳の時。当初は画廊に勤めていた頃からずっとリスペクトしていたミレーの作品を模写し、独学で絵を学んでいたが、28歳のときにオランダ南西部の都市・ハーグへと移り住み、親戚の画家、アントン・マウフェに教えを請う。そこで出会ったのが、ハーグ派の画家たちだ。

ハーグ派とは、1870年から1900年頃にかけてハーグを中心に活動した画家たちの総称。田園風景や当時の農民の生活などを柔らかい光やくすんだ色調で表現したことから「灰色派」とも呼ばれた。その影響を受けて出来上がったのが《じゃがいもを食べる人々》だ。

父が亡くなったのち、弟のテオを頼ってパリへ向かったゴッホ。1886年、33歳のことだ。ここで印象派の先駆けと言われる画家、アドルフ・モンティセリの作品に出会い、強く感銘を受ける。ゴッホの鮮やかな色使いや厚塗りの筆致は、彼の影響だと言われる。そして、カミーユ・ピサロやエドガー・ドガ、ポール・ゴーギャンやジョルジュ・スーラなど、後にポスト印象派と呼ばれる画家たちと交流し、ともに制作を行った。その当時に描かれた作品として本展に登場するのが《タンギー爺さんの肖像》や《パリの屋根》などだ。

ハーグ派と印象派。ともに、画家・ゴッホの形成に欠かせない出会いとなった。本展では約40点のゴッホ作品に加えて、ハーグ派を代表する画家であるアントン・マウフェ、マテイス・マリス、印象派を代表するセザンヌやモネらの作品を約30点、ゴッホがテオに手紙で率直に語った様々な言葉を交えながら、ゴッホが独自の画風にたどり着くまでの過程を掘り下げて紹介していく。

7年ぶりの来日となる《糸杉》をはじめ《麦畑》や《オリーヴを摘む人々》など、晩年のゴッホが重要なテーマとして取り組んでいた作品が集まる本展。サン=レミの精神療養院を退院する直前に描いた2点の《薔薇》のうちのひとつも登場する。生前は評価されることがほとんどなかったゴッホの才気ほとばしるような作品群を前に、あなたはどんな思いを抱くだろうか。

text_Keiko Kusano

最終更新:9/2(月) 15:50
Casa BRUTUS.com

記事提供社からのご案内(外部サイト)

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事