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【8/25まで】仏の表情から信仰のあり方を知る、根津美術館『優しいほとけ・怖いほとけ』展。

8/21(水) 19:02配信

Pen Online

密教の「三輪身(さんりんじん)」の考え方によれば、真理そのものの「如来」、教えを人々に伝える「菩薩」、そして仏法を守る守護神の「明王」の3種類に数えられる仏。それぞれの仏の姿は、厳かであったり、慈悲深かったり、また忿怒の相を見せているなどさまざまです。

2人の男が仏像を変えた 運慶と快慶。

この夏、根津美術館では『優しいほとけ・怖いほとけ』展を開催中。仏を「おごそか」、「やさしい」、「きびしい」、「おそろしい」の切り口で紹介し、飛鳥時代から江戸時代に至る約35点の仏教絵画と彫刻を通して、仏の表情の意味や信仰のあり方について考察します。

「やさしい」と「きびしい」の対照的な仏を見比べられるのが、『菩薩立像』と『毘沙門天立像』が隣り合わせに並んだ展示です。温かい眼差しを投げかけ、口元に僅かな笑みを浮かべた『菩薩立像』の表情は優美そのもので、心が洗われるようです。一方で邪鬼を踏みつけ、誇らしげに戟(げき)を持つ『毘沙門天立像』は、周囲を睨みつけるように厳粛な面持ちをしています。さらにもう1体、「こわい」仏として紹介された『愛染明王坐像』も見過ごせません。悪を打ち砕くべく3つの目を見開きながら、燃え盛る火炎のように髪を逆立てる姿は異形と言ってよく、後ずさりするほどの恐怖を覚えます。3体の仏像とも、根津美術館としては異例のガラスケースなしで展示され、流麗な衣文や細かな装身具などを間近に見られます。

古くから人々は、如来を拝み、菩薩に救いを求め、邪念などを明王の炎に投じることで、現世の安寧な人生を願いました。優しい仏に癒され、怖い仏に畏怖の念を覚えるうちに、いつしかすべての仏に対して祈りを捧げていることに気が付くのです。

文:はろるど

最終更新:8/21(水) 19:02
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2019年 10月01日号

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