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今後急増する高齢者の孤独死、防ぐための手だてはあるのか

8/21(水) 12:13配信

Wedge

 年間3万人といわれる孤独死。

千葉県某所の2階建てアパートの角部屋─。このワンルームアパートの一室で、70代の男性は布団の上でぐったりと息絶えていた。遺体は、死後1カ月以上が経過。男性の息子は、あまりの腐敗臭にアパートの玄関に近づくことさえできなかったという。

 すさまじい死臭と熱気が支配する室内に、防護服と防毒マスクをした特殊清掃業者が一歩一歩と足を踏み入れようとしていた。見ると壁には、おむつが山積みになり、むわっとするようなアンモニア臭を放っている。壁には引っ越した際の段ボールが山積みになっており、アパートの雨戸は何年も閉め切られ、閉ざされていた。

 床には蛆(うじ)がはい回り、蠅が突進してきた。室内は40度を下らない温度で、5分もしないうちに滝のような汗が流れてくる。エアコンを見ると何年も使用した形跡はなく、ホコリをかぶっていた。

妻が介護施設に入り 一人残された夫

 男性は、かつては妻と2人で長年慣れ親しんだ一戸建てで暮らしていた。しかし、定年後しばらくすると、妻が認知症を患い介護施設に入所。子供もすでに成人して家を離れていることもあって、それまで住んでいた一戸建てを売却し、駅に近いこのアパートに入居した。

 しかし、妻と離れた喪失感は大きく、徐々に男性の心身を蝕(むしば)んでいったのだった。

 身の回りのことが億劫(おっくう)になり、次第におむつで排尿や排便をするようになり、カップラーメンばかり食べる不摂生な食生活へと変貌していく。

 死因は腐敗がひどく特定できなかったが、この暑さと不衛生な部屋の状態が影響していることは明らかだった。

 この男性のように配偶者との死別や別居、離婚などによって、それまでの生活が一気に崩れ落ちて生活が崩壊し、その結果、孤独死するという例は決して少なくない。むしろ、ありふれた典型的な孤独死の一例だと言えるだろう。

 長年孤独死の取材を続けてきた私の試算によると、その8割を占めるのが、ゴミ屋敷などのセルフネグレクト(自己放任)だ。セルフネグレクトとは、別名、緩やかな自殺とも呼ばれている。暴飲暴食や、医療の拒否、異常な数のペットの多頭飼いなどの状態のことで、自らを死に追いやるような行為のことを指す。セルフネグレクトに陥るきっかけは、人によって千差万別だ。しかし、高齢の男性の場合は特に妻との離別や死別などのショックで一気に転落してしまうというケースがあとを絶たない。

 内閣府は、最新となる2019年版の高齢社会白書を6月18日に閣議決定した。同白書よると、高齢者の孤独死は過去最多を記録している。

 東京23区内における一人暮らしで65歳以上の人の自宅での死亡者数は、17年に3333人。前年の3179人を上回っているのだ。同白書によると、03年の1451件からほぼ右肩上がりで上昇を続け、現在は約2倍以上に増加している。

 また、孤立死(誰にも看取られることなく亡くなった後に発見される死)を身近な問題だと感じる一人暮らしの世帯では50・7%と5割を超えている。

 私が取材したケースだと、65歳以上の高齢者は介護保険の充実、つまり要介護認定されて介護保険サービスを利用していたり、地域の民生委員によって定期的な見守りがなされていたりすることなどによって、比較的早い段階で発見されることが多い。

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最終更新:8/21(水) 12:13
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