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ドラッグストア業界「大再編」へ…! コンビニが戦慄するその中身

8/21(水) 6:01配信

現代ビジネス

 これまで各社の独自色が強かったドラッグストア業界に、経営統合で規模拡大を目指す動きが出てきた。コンビニと比較すると市場規模はまだ小さいが、再編の結果次第では、コンビニを脅かす業態に成長する可能性もある。

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ココカラファイン争奪戦

 ドラッグストア業界における再編劇の主役となっているのが業界7位のココカラファインである。ココカラは2019年4月、業界5位のマツモトキヨシホールディングスと資本提携に関する協議を開始すると発表したが、業界6位のスギホールディングスがこれに待ったをかけた。スギはココカラとの経営統合を正式に打診し、ココカラの争奪戦という状況になった。

 両社から求愛されたココカラは、2つのプランについて検討したが、マツキヨとの提携の方がメリットは大きいと判断。8月14日には正式にマツキヨとの協議を開始すると発表している。

 ココカラは全国に1354店舗を展開しており2019年3月期の売上高は4005億円、一方、マツキヨの店舗数は1654店舗、売上高は5759億円である。現在、業界トップを走っているのはツルハホールディングスで、店舗数は2082店舗、売上高は7824億円となっている。単純にココカラとマツキヨを合算すれば、店舗数、売上高ともにツルハを大きく上回り、業界トップに躍り出る。

 今回の経営統合が実現した場合、ドラッグストア業界における大型再編の号砲となる可能性が高い。その理由は、ドラッグストアが規模の拡大を目指して本格的に動き出した場合、小売業界の雄であるコンビニを追撃できる可能性が見えてきたからである。

 これまでコンビニとドラッグストアには、市場規模で大きな差があった。だが、市場が飽和しつつあるコンビニに対して、ドラッグストア市場は成長が続いており、2018年には7兆円を突破。このペースでの成長が続けば10兆円市場であるコンビニに追いつくことも十分に考えられる。

ビジネスモデルは各社バラバラ

 近年、ドラッグストアがめざましい成長を遂げている理由は、特殊な利益構造にある。ドラッグストアの多くは、調剤薬局をベースに成長してきたので、利益率の高い医薬品を扱うことができる。一部のドラッグストアは、医薬品から得た利益を食品の安値販売に回すことで規模の拡大を図るようになってきた。

 現在では、多くのドラッグストアが食料品まで扱うようになっており、完全にスーパーやコンビニの競合となっている。ドラッグストアの商品原価率(医薬品と食品などを含んだ全体の数値)は大型スーパーに匹敵する水準であり、原価率が高いコンビニにとっては脅威となる。

 医薬品販売で得た利益を、目玉商品の安値販売に充当するという現在の戦略を追求すれば、コンビニやスーパーから顧客を奪える可能性があるが、一方でドラッグストアにはそう簡単に業容を拡大できない事情もある。ひと口にドラッグストアといっても各社の戦略がバラバラだからである。

 今回、経営統合を検討しているココカラとマツキヨは、都市型店舗が中心となっており、特にマツキヨは外国人観光客を取り込むなど、ある種のブランドを確立している。ココカラも都市型店舗を中心に関東と関西に集中出店しており、両社の商品別売上構成比はよく似ている。マツキヨは関西が弱いので、関西にも店舗網を広げるココカラと組むことにはそれなりにメリットがあるだろう。

 だが、ココカラが平行して提携協議を進めていたスギは、中部地方を中心に郊外型店舗を展開しており、店舗戦略が異なる。スギの1店舗あたりの売上高はココカラの1.3倍もあるので、両社の店舗運営ノウハウには乖離がある。一方、スギとココカラの両社は、今後の成長分野として介護事業を重視しており、その点では共通点があるといってよい。

 最終的にココカラは、既存店舗網におけるシナジーを優先し、マツキヨと組む形になったが、統合する際に重視するポイントは必ずしもひとつではない。

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最終更新:8/21(水) 6:01
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