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【ラグビーW杯】4年前の“伝説の選択”から一歩先へ 伊藤鐘史が託す夢「8強に必ず行くというマインドで」

8/21(水) 12:03配信

THE ANSWER

ラグビーW杯開幕まで30日、連載「楕円の軌跡―レジェンド・トーク2019」第11回は前回大会で日本の躍進を支えた伊藤鐘史氏

 9月20日に開幕するワールドカップ日本大会開幕まで1か月を切った。サンケイスポーツで20年以上にわたり楕円球を追い続けたラグビー・ライター吉田宏氏が、日本ラグビーを牽引し続けてきたレジェンドたちの、日本代表、ワールドカップ成功への熱い思い、提言を綴る毎週水曜日の連載「楕円の軌跡―レジェンド・トーク2019」。

【図表】2019年ラグビーW杯日本大会プール組分け

 第11回は元日本代表LO伊藤鐘史氏が登場。広瀬俊朗氏、大野均に続く3人目の15年ワールドカップ戦士は、ラインアウトでリーダー役を務め、密集戦でもいぶし銀のプレーで日本代表の躍進を支えてきた。現役を引退して昨季から母校の京産大でFWコーチとして新たな人生をスタートする中で、4年後の後輩たちの進化と8強入りへの課題を語ってもらった。

 ◇ ◇ ◇

 大学ラグビーの夏合宿で賑わう長野・菅平で、栄光の男は学生たちと汗を流す毎日だ。

「大学生って難しいです。トップリーグや日本代表でやっていること、そのまま落とし込めばいいかというと、そうでもない。いろいろと工夫が必要ですね」

 最先端のラグビーを離れて2年目の夏。神戸製鋼のジャージーを脱ぎ、母校での悪戦苦闘が続く中で、桜のジャージーの後輩たちには太鼓判を押す。

「うまくいきすぎて怖いなと思っています。パシフィック・ネーションズ・カップ(PNC)3戦を見ましたが、確実に強くなっている。とくに、自分たちのときから進化しているのは、状況判断の能力です」

状況判断の速さこそジェイミー・ジャパンの強み

 伊藤氏が例に挙げるのは、8月3日に行われたトンガ戦終了直前のWTB福岡堅樹のトライシーンだ。

「起点はボールをもらったSO田村(優)です。パスを受けたときの瞬時の判断がすごかった。トンガの選手が痛んでいると見るや、クイック・スタートで攻撃を仕掛けたんです。おそらく、いまのジャパンもグラウンド上のエリアごとにゲームプランがあるはずです。でも、それを瞬間的に切り替えて攻めた。田村1人の判断に、全員が反応して生まれたトライですね」

 状況判断の速さは、チームを率いる指導者の個性が反映される。前任のエディー・ジョーンズ氏が徹底してトップダウンで戦術を落とし込んでいたのに対して、ジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチ(HC)はリーダーグループの選手を中心に選手が話し合い、チームスタイルを創り上げるのが流儀。伊藤氏は、日本代表が統制され約束事を確実に履行するチームから、柔軟に状況判断で戦術を変えていくチームに変貌していると指摘する。

 この優れた状況判断からのトライを見て、伊藤氏の頭をよぎったのが、トンガ戦前の大阪・堺合宿を見学したときの出来事だった。

「田村と話したら、すごく大人になっていた。リーダーも任されてて、宮崎合宿は肉体的にしんどかったけれど、それ以上に(今は)考えるほうに時間を使うから大変だと話していた。あのトライシーンを見た時に、そうやって常に考えながらやっているから、ああいう状況判断ができたんだなと思いましたね」

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最終更新:9/2(月) 17:02
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