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死にたくなるような社会は、もう止めにしたい<山本太郎氏>

8/21(水) 8:31配信

HARBOR BUSINESS Online

金持ちに優しい、大企業に手厚い税の取り方を変えよ

── 消費税廃止をどのように実現しますか。

山本:私は本来の税の在り方に立ち戻るべきだと考えています。一言で言えば、消費税導入前の税制に戻すということです。

 消費税導入によって、法人税と所得税の大減税が進められてきました。法人税の税収は、消費税が導入された1989年には19兆円ありましたが、2016年には10・3兆円に減ってしまいました。消費税収の73%が法人税収の減少分を補っているという計算も成り立ちます。金持ちに優しい、大企業に手厚い税の取り方は間違っています。

 では、消費税を廃止して、どのように税収を確保するのか。所得税の最高税率を上げ、分離課税をやめればいい。法人税も累進性を導入すればいい。これはトランプ政権以前のアメリカでもやっていたことです。これにより29兆円の財源が担保されるという試算もあります。

 つまり、儲かっている人たちに、国を支えるために貢献していただくという考え方です。このような税制改革によって、一番プラスになるのは中小、零細企業だと思います。消費税を廃止することによって、中小企業は息を吹き返します。日本全体の従業者数はおよそ4800万人ですが、その70%は中小企業で働いています。中小企業のクビを絞めるような政策は、この国の屋台骨を破壊することにほかなりません。

 大企業に忖度する安倍政権の経済政策は、とるべき政策の真逆だと思います。格差を縮める役割を果たすのが政治です。大企業への忖度をやめ、こうした税制改革をすれば、29兆円の財源が確保できます。同時に、デフレ期においては、新規国債の発行を躊躇なく行う必要があると考えています。

── 最低賃金1500円の狙いは何ですか。

山本:私は、財界と政治の力によって、不当に賃金が抑えられてきたと考えています。政府が保証する形で、全国一律最低賃金1500円を実現すべきです。

 ただし、その前提として消費税の廃止や減税が必要です。消費税が廃止されれば、消費が喚起されます。内部留保を溜め込んでいた企業も投資を始めます。これにより好ましい経済状況が生まれ、これまで厳しかった中小企業の業績も回復していきます。その結果、中小企業にも賃金を上げる余裕が出てくると思います。そうなれば、国が補填する部分はそれほど大きくはなりません。

 消費が喚起されること以外にも、全国一律最低賃金1500円には、様々な波及効果があります。全国一律で1500円の最低賃金が保償されるようになれば、わざわざ家賃の高い大都市に住む必要はなくなります。東京で生活する人の多くは、収入の半分近くを家賃につぎ込んでいます。地方都市でも最低賃金が保証されるなら、もっと家賃が安くて、暮らしやすい場所で暮らそうと考えます。同時に、地方から大都市への流出も止まります。逆に地方に人々が流入するようになります。衰退していた地方のシャッター街も息を吹き返します。つまり、政府補償で全国一律最低賃金1500円は本当の地方創生になるということです。

 さらに、国土の人口を分散することは、震災などに対する危機管理上も必要なのです。南海トラフ、東海地震、首都圏直下型地震などが、いずれ起こると言われています。土木学会は、南海トラフ地震が発生した場合、地震発生から20年間の経済的な被害は約1400兆円に達すると推計しています。

 人口が大都市に集中している現状では、そうした大災害が起こったとき、バックアップできる都市がほとんどないのです。関西圏から東海、首都圏までが壊滅的状態に陥ったとき、被害を免れた都市が中心になって日本を再興しなければならなくなります。どこの都市にも、それができる状況にしておくことが、危機管理であり、安全保障だと思います。

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最終更新:8/21(水) 8:31
HARBOR BUSINESS Online

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