ここから本文です

もっとコース上での追い抜きを! F1新レギュレーションを巡る駆け引き

8/21(水) 6:18配信

webスポルティーバ

近年、レースをより面白くする方法を模索してきたF1GPは、今季(2019年シーズン)に向けて、テクニカルレギュレーション(技術規定)の大幅な変更を行なった。空力に関する新たなレギュレーションの導入によって、コース上での競り合いやオーバーテイクを(理論的に)より容易にしようというのがその狙いだ。

さらば、F1グリッドガール

 この10年間、マシンの空力は複雑化の一途をたどってきた。だが、前を走るマシンが引き起こす乱流(タービュランス)の影響で、2台以上のマシンによる接近戦では追走車のパフォーマンスが大幅に落ちてしまうため、コース上での追い抜きやバトルは非常に困難な状態になっていた。

 この問題を解決するために、2019年のレギュレーション変更では、競り合いをより容易にするために前後ウィングの形状を単純化する等の対応策が採用されたのだ。果たして新レギュレーションは有効に作用したのだろうか? シーズンが半ばを過ぎた今、この問題にあらためて注目をしてみよう。

 空力レギュレーションの変更にもかかわらず、レース中の追い抜きが簡単になったとは言えないレースもあった。たとえばフランスGP。同国南部のポールリカール・サーキットで行なわれたレースは正直、眠気を誘うほど退屈で「この課題を改善してレースを面白くすることはF1界喫緊の急務である......」と、レース直後には多くのメディアやファンが口を揃えて述べていた。

一方で、その後のオーストリアGP(レッドブル・リング)、イギリスGP(シルバーストン)、ドイツGP(ホッケンハイム)の3戦は非常にスリリングで、レース中は随所でオーバーテイクやバトルが繰り広げられた。とくにシルバーストンとホッケンハイムの2戦はここ10年でも屈指の名レースと言ってもいいだろう。

 これは新レギュレーションの効果なのだろうか。その正しい評価を行なうには、もう少し時間が必要だろう。こうした変化の背景には、サーキットのコース特性や各チームのマシンの戦闘力の差、そして、個々のレースの展開も大きく影響するからだ。また、シーズン中盤に向けて、新レギュレーションに合わせた各マシンの空力性能の改良が進んでいることも、レース内容の変化をもたらしている可能性がある。

 だが、少なくともいくつかのサーキットでは、従来よりも多くの追い抜きやコース上でのバトルが可能になっているのは事実。今後、それらが新たな空力規定の効果であると確認できれば、それが将来のF1レギュレーションにも影響を与えることになるだろう。FIA(国際自動車連盟)とF1は、現在、2021年シーズンに向けてテクニカルレギュレーションを刷新するための議論を続けている最中だ。

 この新ルールの目玉は、マシンの底面と路面の間に発生する負圧をダウンフォース(マシンを路面に押し付ける下向きの力)として積極的に活用する「グランドエフェクトカー」の復活や、空力パーツなどの構成全体をかなり単純化して、オーバーテイクをよりしやすくすることだ。

 前後ウィングは非常にシンプルな形状になり、むき出しのホイールが引き起こす乱流の低減や、大事故の原因となる車輪同士の接触を防ぐためのホイールカバー(ハブキャップ)を採用。ホイールは大径化される方向のようだ。マシンのノーズを低くしてより魅力的なボディワークと空力パーツを減らすことにより、スッキリとした外観を目指すという。

1/3ページ

最終更新:8/21(水) 6:18
webスポルティーバ

記事提供社からのご案内(外部サイト)

Sportiva

集英社

スポルティーバ
4月4日(木)発売

定価 本体1,800円+税

フィギュア特集『羽生結弦は超えていく』
■羽生結弦 世界選手権レポート
■羽生結弦 グランプリシリーズプレーバック
■宇野昌磨、髙橋大輔、紀平梨花、坂本花織ほか

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事