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米国政府はなぜ、 Amazon の解体を望むのか?

8/22(木) 8:51配信

DIGIDAY[日本版]

具体的な問題点は?

カーン氏の論は重大なものであり、今後間違いなく法整備に何らかの影響を及ぼすと思われる。Amazonの市場支配力は同社の市場占有率をも上回ると、氏は指摘する。Amazonはただのマーケットプレイスではなく、データブローカーでもあるため、ますます多くの企業が顧客発見のためにAmazonに依存している。同様に、同社はAWS──独自のクラウドストレージサービス──を開発・提供する別種のサービスプロバイダーでもあり、私企業だけでなく政府もこれに依存している。さらに、同社は他のインハウスサービス──たとえば、物流──も構築しており、フェデックス(FedEx)やUPSといった物流大手が早晩、Amazonの存在自体を脅威と見なすことも十二分に考えられる。

「多くの中小企業が、成功するにはこうした巨大プラットフォームに頼る以外にないと考えている」と、デジタル市場における知的財産権や競争に取り組むNPOパブリック・ナリッジ(Public Knowledge)の独禁法専門家シャーロット・スレイマン氏は説明する。「つまり、そうした中小企業が巨大プラットフォームを離れることは非現実的な話であり、彼らはほかに選択肢がないと感じている」。

もっとも対応が急がれる懸案事項のひとつが、いわゆる「最恵国(most favored nation)」プライシングだ。これは簡単に言うと、ある企業が顧客に対し、自らに優遇価格を与えることを契約的に強いる状態を指す。2018年、米立法府はAmazonに対し、サードパーティーセラーにほかのプラットフォームで同様の商品をAmazonよりも低価格で販売することを禁ずる契約締結の強要に関して、質問状を送った。

「同様の商品をAmazonよりもウォルマート(Walmart)で安く販売するベンダーに対するAmazonの懲罰は、独禁法違反の事例になりうる」と、経済関連の訴訟/コンサルティングに精通するイーコン・ワン・リサーチ(Econ One Research)のマネージングディレクターにして、ジョージ・ワシントン大学インスティトュート・オブ・パブリック・ポリシーのシニアフェロー、ハル・シンガー氏は、eメールでの質問に答えた。

この反競争的と疑わしき部分をAmazonは自覚したと思われ、今年3月にサードパーティーセラーとの契約を改訂した。ただし、姿勢自体を改めたわけではなく、強大な価格決定力を別の方法で行使しようとしている。たとえば、8月第2週のブルームバーグ(Bloomberg)の報道によれば、Amazonはほかのプラットフォームに名を連ねるセラーを精査し、価格を上げなければ、検索順位といった恩恵を受けられなくなる恐れがある旨を、彼らに通告している。

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最終更新:8/22(木) 8:51
DIGIDAY[日本版]

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