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奥川恭伸(星稜高)のココがすごい!中・高の恩師と捕手が証言

8/22(木) 11:05配信

週刊ベースボールONLINE

星稜高の林和成監督はむろん、実は中学時代の野球部監督も星稜高のOB、今の奥川にとっては先輩でもある。この両恩師に加え、小・中・高とバッテリーを組み続ける山瀬慎之助捕手が、エース右腕・奥川恭伸のすごさを語る。
取材・文=大久保克哉 写真=桜井ひとし、BBM

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星稜高・林和成監督「ピカイチの人間性が成長の素」

 入学から今日まで、壁を乗り越えながら順調に成長してきているなというのが奥川の印象です。

 その要因は何といっても人間性。物事のとらえ方も考え方も素晴らしいし、どんなに活躍しても天狗にならない。田舎の純朴な子ですよ。それでいて周りに流されないし、負けず嫌いで、芯の強さもある。彼をここまで育てたご両親や環境も素晴らしいのだと思います。

 中学で全国制覇したといっても、高校では1年生のときに打たれましたからね。特に1年秋の石川大会と北信越大会です。両大会とも決勝で日本航空高(石川)と当たって、その2試合ともコテンパンにやられました。その後に私は彼に言ったんです。「オマエ、星稜に来て良かったな」と。

 というのも、当時の日本航空の打力は全国でも屈指でしたから。あのバッター陣を背に(仲間として)投げるよりも、アイツらを倒さないと甲子園に行けないという敵の立場にいるほうが成長できるのではないか、と諭しました。

 そして荒山(荒山善宣)コーチの下でも努力を重ねた奥川は、2年春の県大会で日本航空を4安打完封。2年生で甲子園とU-18(高校ジャパン)を経験して、またさらに成長。球速(150キロ)だけではなく、スライダーもフォークも磨きがかかりましたし、昨秋は一人で延長15回を投げ切った試合もありました。

 1年生のときは持ち球をすべてとらえられていたので、「真っすぐで空振りを取れる投手を目指せ」という助言はしました。今年はもう3年生。1試合を完全に任せられる投手、どこまでもスケールの大きい選手になってほしいですね。

かほく市立宇ノ気中・三浦隆則監督「奥川が投げると白い粉が散る」

 奥川が投げた後のマウンドは、白い粉が散っていたんです。それもロジン(滑り止め)の粉ではなく、プレートの削れた粉が。軸足の蹴りがあまりにも強くて、スパイクの歯でプレートが削れるんでしょうね。正直、初めて見たときは驚きました。長いこと中学野球部の顧問をしていますが、そんな投手は後にも先にもいませんよ。フォームの原型は、今もそう変わっていない。

 かといって、私が奥川を育てたわけではありません。宇ノ気(うのけ)中に赴任してきたときに彼らはもう3年生。奥川はほぼ完成されたエースでした。130キロを超える真っすぐに、スライダーのコントロールもいい。

 身長も180センチ近く。体重は……夏の全中(全国中学校軟式野球大会)の前に「体重を5キロ増やしてくる」と言って、有言実行で大会に入ると5試合を乗り切って優勝。真夏の全国大会は体力勝負になる、と読んでの増量だったんでしょうね。そういうアドバイスはご両親からあったんだと思いますし、奥川は頭のほうも優秀で、人の意見を聞ける素直さもありました。

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最終更新:8/22(木) 12:15
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