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がんと闘う社員、向き合う上司 仕事に挑み続ける理由

8/22(木) 10:12配信

NIKKEI STYLE

がんで治療や経過観察をしながら、仕事を続ける人が増えている。とはいえ、勤務先でサポートを得られなかったり、制度があるのに利用できる雰囲気ではなかったりなど、治療と仕事を両立するには課題がある。
そんな中、がんと就労の問題に取り組む民間プロジェクト「がんアライ部」が、2019年6月に人事担当者向けの勉強会を開催。「制度がなくても治療中の部下と良い関係性を築く方法とは」をテーマに、大手人材紹介会社ジェイエイシーリクルートメントに勤務するがんサバイバー(がん経験者)の金澤雄太さんと、上司の春野直之さんを迎えてパネルディスカッションを展開した。モデレーターを務めたのは、一般社団法人キャンサーペアレンツ代表の西口洋平さん。特別な制度がない会社の中で、治療と仕事の両立をどのように行ったのか。自身もがんになったライター、福島恵美がリポートする。

◇  ◇  ◇

■がんの報告は親よりも会社が先

約60人の人事担当者が集まった今回の勉強会。がんの再発・転移を2度経験しながらも職場復帰を果たした金澤さんと、彼の上司の春野さんに、モデレーターの西口さんが、がんと就労における率直な質問をぶつける形で始まった。

西口 がんが発覚したとき、いつ、誰に、どこまで話しましたか。

金澤 2014年に盲腸で入院中に、手術で取ったところが悪性だと分かり、虫垂がんと告知されました。退院予定や職場復帰のめどが立たなくなり、親に連絡する前に上司に電話したんです。当時の上司は、春野ではなく別の人でした。そのとき、「ちゃんと会社に戻ってこられるようにするから、治療に専念してこい」と言ってくれて。雇用の継続や収入の不安が一旦なくなったのが、うれしかったですね。

春野 金澤から当時の上司ががんの報告を受けた後、マネジメント担当者が緊急招集されました。論点は、彼の病気をいつ、どのように社内のメンバーに伝えるのか。金澤自身がどのように伝えたいと思っているのかを聞き、それを尊重することにしたのです。弊社にはそもそも、がんに限らず、介護や子育てをしている人もいるので、誰が今どういう状態にあるのかを週に1回のミーティングで話し合っています。

金澤さんは職場復帰後に自分が所属するチームの人や、社内の親しい人にがんのことを話した。上司とは定期的に行う検診のスケジュールを共有し、その都度、検査結果を伝えてコミュニケーションを取ったという。

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最終更新:8/22(木) 12:15
NIKKEI STYLE

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