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吉野家HD会長が語る「承継者から承継者へ」

8/22(木) 5:00配信

商業界オンライン

 料飲稲門会(会長/桑原才介)では(株)吉野家ホールディングス会長安部修仁氏のセミナーを開催。当日会場には100人を超える聴講者が参集した。

 料飲稲門会とは早稲田大学OBの飲食業関係者、飲食業に興味を抱く学生等で運営されている交流会。また、早稲田大学関係者でなくても友好会員として活動への参加を歓迎している。

 前回までの記事では、吉野家の事実上の創業者 松田瑞穂氏の話や、吉野家が急成長し倒産した理由、店舗に牛丼が消えた期間を中心に話を進めた。今回は「承継者から承継者へ」について、安部氏の講演をまとめた。

前回までの記事はこちら↓↓

(1) 吉野家HD会長 安部修 仁 が語る「おやじの教え」

(2)「 吉野家」が急成長し倒産したワケ

(3)「 吉野家」から牛丼が消えた日々

「新しいマーケット創造」にチャレンジ

 吉野家がホールディングス体制に移行してから、私は一度、事業会社の吉野家から外れたのですが、その3年目に赤字になったことがあります。赤字か黒字かは決算上の技術的なことなので大層なことだとは思っていません。

 私が問題視していたことは、この時の執行者が自信を無くしていたということです。コンペティターを追随していることがそう見えました。そこで私は「吉野家は存在感を大事にしているのに、存在感を無くしている」と考えて、再び執行者に戻りました。経営にはもちろん数字が伴わなければいけませんが、「存在感を復興させる」ということが第一義でした。

 この時、オフェンシブ(攻撃的)には新しいマーケットをつくることに努めました。完全に後退する前にタブーはないというメッセージを込めて、「商品価値を新しくつくる」「サービス価値をつくる」。つまり、新しいマーケットをつくるために「新しい顧客創造」「新しいオケージョン」「新しい用途をつくる」ということです。

  そのためには新しい商品価値があるものをつくらないといけない。サービス価値も新しいものにしないといけない。これで取り組んだのが「牛すき鍋膳」という商品です。

 商品を発売する時のキャッチフレーズは「うまい」「やすい」「ごゆっくり」でした。これまでお客さんの在店時間は8分間でしたが、この商品での在店時間は15分間です。

 このキャッチフレーズは、吉野家が「ごゆっくり」と言うものだからとてもインパクトがあったかもしれない。ではなぜ、このような言い方をしたのか。

 これまで吉野家は「うまい」「はやい」「やすい」と言っていたので、ご婦人方をはじめ多くの人は、吉野家では早く食事をしないといけないと思っていた。でも、ここの「はやい」はクイックサービスのことなのです。お客さまは食事を召し上がるのは「ごゆっくり」していいのです。

 しかしながら、象徴的な新商品とキャッチフレーズの呼び掛けで、ご婦人やファミリーなど、これまでにない利用動機の方々が増えました。

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最終更新:8/22(木) 5:00
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