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iPhoneのバッテリー交換後の警告表示は、消費者の「修理する権利」を脅かす

8/22(木) 12:13配信

WIRED.jp

ユーチューバーのジャスティン・アシュフォードは、「TheArtofRepair」という家庭用電子機器の修理方法などを紹介するチャンネルを運営している。アシュフォードは最近、自分の「iPhone XR」のバッテリーを中国・深センで手に入れたものに交換し、その様子をYouTubeにアップした。

「修理する権利」と、歩み寄るメーカーの思惑

ただし、その動画は単なるバッテリーの交換方法の説明ではない。アップルに対する“挑戦状”のような内容だった。

アシュフォードが深センで購入したのは、アップルの「純正」バッテリーだった。つまり、彼がもっているiPhone XRと同じモデルの新品を購入してバッテリーを取り出せば、まったく同じものが手に入る。ところが、交換したあとに「設定」から「バッテリーの状態」を確認すると、バッテリーに問題があることを示す「Service」という警告が出ていた。

「バッテリーの状態」の項目には、通常は最大容量の測定値が表示されるようになっている。ところがアシュフォードがバッテリーを交換すると、これが機能しなくなったのだ。アシュフォードのこの動画は、オンラインで修理ガイドを公開しているiFixitの目に止まった。iFixitはアップル製品などの分解リポートでも知られ、これにより電子機器メーカーの失態が明らかになることも多い。

iFixitのクレイグ・ロイドはアシュフォードの動画が公開された直後に、同社の公式ブログで「iOS 12とiOS 13のベータ版がインストールされているiPhone XSで、同様の症状が起きることを確認しました」と投稿している。警告表示には「このiPhoneで正規のApple製バッテリーが使用されていることを確認できません」とあったという。

ネットなどでバッテリーを購入して自分で交換するユーザーにとっては、警告表示が出ても無視すればいいだけの話だろう。 買ったバッテリーが正常に動作するものであれば、iPhoneはこれまで通り普通に使えるからだ。しかし、アシュフォードやiFixitにとっては、これは見逃すことのできない問題だった。

欧米では消費者の「修理する権利」を法律で保護することを求める運動が広がっている。これに対してメーカーや業界のロビイストたちは、ユーザーが勝手に製品をいじると危険だと主張している。セキュリティ上の問題が発生したり、火災や製品の破損につながる危険性があるというのが理由だ。

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最終更新:8/22(木) 12:13
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