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アマゾン森林火災、原因は「過剰な伐採」と専門家

8/22(木) 19:06配信

ナショナル ジオグラフィック日本版

1週間で9000件以上の火災報告、大統領の開発政策が影響か

 南米アマゾンの熱帯雨林で起きている大規模な森林火災は、非常に激しく延焼中で、近隣の都市は、厚い煙に覆われている。

ギャラリー:アマゾン、森の先住民の知られざる日常 写真20点

 ブラジル国立宇宙研究所(INPE)は2019年、過去最高となる7万2843件の火災を報告した、と複数の報道機関が報じている。そのうちの9000件を超える火災が、この1週間で発生した。

 火災の正確な規模はまだわかっていないが、ブラジル北西部の数州にまたがり燃え広がっている。8月11日にはNASA(米航空宇宙局)が、火災は宇宙から見えるほど大規模だと述べた。

「アマゾンで起きた森林火災では、間違いなくワースト2に入ります」とアマゾンで活動する生態学者でナショナル ジオグラフィックのエクスプローラーでもあるトマス・ラブジョイ氏は話す。

「森林の伐採が近年増加した結果だということに、疑問の余地はありません」

伐採が増えて、火災が増えた?

 2018年にボルソナロ現ブラジル大統領が選出されて以降、過剰に続けられる森林伐採に、環境保護の活動家たちはずっと警鐘を鳴らしてきた。そもそも選挙戦では最大の政策としてアマゾン開発を打ち出し、就任後それを実行してきた。

 INPEが今月発表したデータによると、ブラジルで伐採された森林は、今夏だけでも過去3年間の合計を超えるという。

「過去数年の森林火災は、主に雨不足によるものでしたが、今年は十分に雨が降っています」と、生態学者アドリアーネ・ミュールバート氏は言う。氏はアマゾンの森林破壊が気候変動に果たす役割を研究してきた。

「今回の火災は、森林伐採が原因と考えられます」

 アマゾンでは、木材用に加えて、大豆畑や牛の放牧地を作るために、大量の木が伐採されている。手っ取り早く開拓するために、森を焼き払うことも少なくない。アマゾンの森林火災は、大半がこのように人間が火をつけ、その後制御不能に陥ったものなのだ。

 森林破壊により森が失われると、その地域全体が乾燥し、さらなる森林減少をもたらす「負のスパイラル」に陥ると、ラブジョイ氏は説明する。

 アマゾンに降る雨の多くは、熱帯雨林自体から生じているため、森が消えれば降水量も減る。乾燥が進むと、やがて回復不能点に達し、熱帯雨林と言うよりはサバンナと言うべき状況になりかねないと、専門家は懸念している。

「アマゾンには、この限界点が存在します。降水量の半分を自己生産しているからです」とラブジョイ氏。「アマゾンは、1つのシステムとして管理しなければならないのです」

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