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日韓関係悪化:経済分野への波及で新しい局面へ

8/22(木) 15:01配信

nippon.com

政治問題と経済問題がリンクしてこなかった理由

これまで政治問題と経済問題がリンクしてこなかった理由は、日韓関係がどのように悪化しても、企業としては両国のつながりを維持することがお互いの利益のために必要であったからである。

言うまでもなく、企業にとっては利益最大化が最も重要な関心事である。企業は生産工程を最大化し、利益の最適化を図るため、自国にとどまらず、さまざまな国にまたがり部品・素材の供給・調達を行っており、グローバル・バリューチェーンを構築している。

日韓間でも部品・素材の供給・調達が活発に行われている。2018年における日韓間の部品・素材貿易を韓国側から見ると、輸出は137億ドルで第5位の相手国、輸入は288億ドルで第2位の相手国である。さらに、韓国は半導体など主力製品の製造に欠かせない部品・素材のうちいくつかを、日本からの調達にほぼ完全に依存する形となっている。

日韓経済はグローバル・バリューチェーンで強く結びついているが、これは隣国であるからという理由ではなく、企業が供給・調達を行う上で最適な選択を行った結果である。よって日韓関係がいかに悪化しようとも、経済分野では粛々と日韓関係を維持し、それぞれの生産性の向上と利益の最大化を図ってきたわけである。

輸出管理適正化で政治問題が経済問題に波及

しかし、企業行動には無制限な自由が保障されているわけでない。企業は規制に従う必要があり、その範囲内で利益の最大化を行わざるを得ない。よって規制に政治分野での日韓関係悪化が反映されれば、経済もその影響を免れ得ない。

日本政府は、輸出管理適正化に踏み切った理由として、韓国の輸出管理をめぐり不適切な事案が発生したこと、日韓間の信頼関係が著しく損なわれたことを挙げている。そして、信頼関係の著しい棄損に関連して、元徴用工問題について解決策が示されてこなかったことが示された。

輸出管理は国際的な信頼関係を土台として構築されるものである。日本は、政治分野での問題で関係が深刻化した中、通常より優遇してきた韓国向け輸出の管理を通常に戻したわけである。一方、韓国はこの措置を元徴用工問題への報復措置であると認識した。

輸出管理適正化によって契約ごとに輸出許可が必要となる品目には半導体製造に必須なものが含まれている。韓国の輸出の20%以上を占めている半導体は、韓国経済の行方を左右する最も重要な製品である。

韓国は日本の措置を、自国経済を揺るがしかねない一大事と捉え、部品・素材を日本に依存する経済構造からの脱却を模索するようになった。政治問題が日韓の経済的なつながりに影響を及ぼすことになったわけである。

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最終更新:8/22(木) 15:01
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