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日韓関係悪化:経済分野への波及で新しい局面へ

8/22(木) 15:01配信

nippon.com

緩やかに弱まっていく日韓の経済関係

今後の経済面での日韓関係であるが解決の糸口はまったく見えない。韓国は、輸出管理適正化にかかる措置の撤回を日本に要求し続けるだろう。日本は、韓国が政治分野での問題を解決すべく何らかの行動をしない限り、輸出管理の運用を7月4日以前に戻すことはないだろう。

輸出管理の運用に動きがなければ、韓国が政治分野での問題を解決すべく何らかの行動を行うことは考え難い。このようにこじれた日韓関係は長期化する可能性が高いが、そうした中、日韓間の経済面でのつながりは緩やかではあるが弱まっていくだろう。

8月2日、国会で可決した韓国の補正予算には、素材・部品の日本依存から脱却するための対策費として2372億ウォン(約250億円)が計上された。政府が予算を費やしたからといって国産化の実現は簡単ではないが、今後も予算を計上し続けるだろう。

実際には投資に見合った利益は期待できないため、韓国の企業にとっては、日本から部品・素材を輸入し続けることが合理的である。しかし、日本リスクを高く見積もっている韓国にとって、政府の援助の下、企業も国産化を実現すべく資源を投じ続けるだろう。

同時に部品・素材の調達を他国に替える動きも出ている。他国の部品・素材の品質が日本の水準に達していない場合、不良品の発生率が高まるなどコストが生じるが、韓国にとって許容すべきコストと認識されよう。

結果、緩やかではあるが、部品・素材の日本への依存度は低下していく。韓国経済にとって負担が大きく、日本経済にも影響が及ぶが、残念ながらこの動きが止まる見通しは立っていない。

【Profile】

高安 雄一 TAKAYASU Yuichi
大東文化大経済学部教授。専門は韓国経済、アジア経済。1966年広島県生まれ。一橋大学商学部卒。九州大学経済学府博士後期課程単位修得満期退学。経済学博士。経済企画庁に入庁後、在韓国日本大使館、内閣府などに勤務。筑波大学システム情報工学研究科准教授などを経て2013年から現職。

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最終更新:8/22(木) 15:01
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