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【美容家・神崎恵】「幸せの味」【もう、メイクを落としてもいいですか?】

8/22(木) 22:11配信

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「幸せの味」先週、歯磨きをしながら涙した。

歯茎にブラシを滑らせながら、ふと「息子たちは幸せかな? 今までは幸せだったかな?」と、一緒に過ごした時間を思い返したら、なんだか涙がでてきた。

【神崎恵】『もう、メイクを落としてもいいですか?』記事一覧はこちら

長男は、19歳。ひとり暮らしの準備を始め、顔を合わす時間も急激に少なくなり、「人生の中であとどれくらい一緒にいられるのかな?」と思ったら、その時間の少なさが急に切なく感じた。もっとああすればよかった、もっとこうしてあげればよかった。止まらない「もっと」という感情。

母についても、ふと「お母さんは幸せな人生だったかな?」と。自分のことより、子どもや家族のことをなによりも優先で生きてきた母。心配ばかりかけたな。もっと旅行に行ったらよかったのに、もっと自由に、もっと好きなことをしたらよかったのに。これもまた「もっと」が止まらない。

自分が人生を折り返したことで、考え始める、人生という時間。

最近、ふとした瞬間瞬間にそんなことを思い考えたりしている。

自分の人生も同じく。もし明日で人生が終わるとしたら、「ああ、わたしは幸せな人生だった」と言えるだろうかと自分に問いかけたりする。

もちろん今、わたしは幸せ。

愛おしい息子たちと生きがいである仕事に恵まれ、家族も健康でいる。でも、「たったひとつの人生」として考えると、ここにも「もっと」という気持ちがぷくぷくと泡のように浮かんできた。

先日、数年にわたり仕事をご一緒している編集者もこんな話をしていた。

「今年は、思い切って休もうかなと思って。もうずっと旅行も行っていないし、もっと人生を楽しもうと思う」と。

なによりも仕事を優先し、生き生きと働いていた彼女の中の変化。

それはどうして? と尋ねると「ドラマの『わたし、定時で帰ります。』をみてたらね、なんか、そうだよなって思って、衝撃をうけたの」と。そう、わたしも今同じ気持ちでいる。何年も手に入れたいものに向かって走ってきた。休むなんてもったいなくて、時間があれば仕事をしたくて、息抜きやストレス放出も仕事だったし、時々心を覆う不安も仕事が解消してくれた。

以前ラジオで耳にした「仕事だけではなくて、友人と会う時間も楽しみたいし、家族との時間も楽しみたい。旅行に行ったり、食事をしたり、私たちはいろいろなことを楽しみたいから仕事だけに執着したくない」という現代っ子の言葉にも、正直「甘いな」と思ったほど。何かを犠牲にしてもがむしゃらにがんばらなきゃ、幸せは手に入らないんだよ、と。

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最終更新:8/22(木) 22:11
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