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周囲を不快にさせる「バカ笑い」の正体とは…?笑い声を科学する

8/22(木) 10:16配信

現代ビジネス

声は脳が作り出すもの

 「笑い声」とは不思議なものだ。人を幸せにする笑い声がある一方で、とてつもなく不愉快にする笑い声もある。シチュエーションによって場を和ませるかと思えば、ちょっとした違いで場を凍りつかせてしまうこともある。

 笑い声の持続時間は平均1秒。しかしこの1秒、あるいはこの1秒の累積が相手の心に大きな影響を与えている事実を知れば、「たかが笑い声」などと看過できないはずだ。

 まず笑い声の前に、人の「声」について説明しておきたい。日本では声そのものの研究も教育も遅れているのであまり知られていないが、声にはじつに膨大な非言語情報が含まれている。

 そして恐ろしいことに、その情報は無意識に人の脳に取り込まれ、印象や好き嫌いを決定してしまう。もしかしたらあなたは、すごく努力家で言動に気を配っているのに、「声」によって過小評価されているかもしれないのだ。

 なぜ「声」にそれほどの音響情報が表れるのか。

 声は声帯という発声専用の器官によって作られていると思っている人が多い。しかし声を出す専用器官などというものは、無い。声帯はもともと気道に異物が入らないようにする膜に過ぎず、吐く息のエネルギーによって振動が生じ、「ブー」というブザーのような音を発する。これは声帯原音と呼ばれるもので、声ではない。

 この小さな原音が声帯から上の空間で共鳴し増幅することで初めて声になるのである。そして声帯の開け閉めや張り具合(これによって高低が操作される)、その共鳴空間の使い方をコントロールしているのは脳だ。

 つまり声とは、身体の生命にかかわる器官を巧みに利用して脳が作り出すものだ。だから心身の状態が音響情報として声に出てしまうのは当たり前なのである。

 声の高さからは体格や骨格がわかるし、共鳴の仕方から顔の骨格もわかる。風邪をひいたときの声の変化は誰しも経験があるだろう。肺や脳の病気でも、骨折でも、女性の場合は生理や妊娠も声に表れる。身体の変化はすべて声に反映されるのだ。

 中国には「声相」の専門家がいて、声から生育歴や病気や家族構成、過去の出来事から未来までをも正確に読み取るという。また米国では声で病気を診断する研究が進められている。

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最終更新:8/22(木) 10:16
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