ここから本文です

ポスト Cookie の時代:IDベースのユーザー同意、持て余すパブリッシャーたち

8/23(金) 11:52配信

DIGIDAY[日本版]

サードパーティCookieへの依存を緩和し、なおかつデータプライバシーの法規制にも準拠したいパブリッシャーのあいだで、ユーザーのデータプライバシー設定を収集する新たな手法を検討する動きが出ている。その手法とは、認証済みの同意(authenticated consent)だ。

認証済みの同意のコンセプトは、いたって単純だ。パブリッシャーが、Cookieの代わりにアイデンティティベースのシグナルを使ってユーザーの同意を収集できるもので、またその結果、複数のパブリッシャープラットフォームやデバイスにまたがって、より一貫したユーザー体験が提供される。

同意の認証ツール

たとえば、ソースポイント(Sourcepoint)が構築した同意の認証ツールは、サードパーティのCookieを使用せず、クライアントがもともと利用しているソースポイントの同意管理プラットフォーム(CMP)に統合することが可能だ。

ユーザー登録制をとっている、すなわちログインユーザーを抱えるパブリッシャーは、このツールを利用することで、ユーザーの同意設定を収集し、保管することが可能になる。それがどのようなデータで構成されるかは、パブリッシャーが登録時にどのような情報を要求するかで決まる。単一のユーザーIDを作成するだけで、パブリッシャーはほかの自社プラットフォームやデバイスにまたがってユーザーを同期することができるため、ユーザーはデータプライバシー設定を何度も行わずにすむ。

ソースポイントによると、すでに国際的なパブリッシャー2社が、このツールの利用登録を行っているという。ただし、いずれも社名の公表を望んでいない。ほとんどの企業と同様に、個人のデータプライバシー戦略に関して、規制当局に監視の目を向けられるようなことはしたくないからだ。

CMPの良い点悪い点

このツールは、同意に関するユーザー体験を、現在の面倒でややこしい状態から向上させることを目指している。たとえば、ユーザーが仕事用のコンピューターでパブリッシャーに明示的な同意を与えたら、以降は、同社のモバイルアプリやユーザーの私用ノートパソコン、あるいはセットトップボックスやスマートTVのようなOTT(オーバーザトップ)のストリーミングデバイスを通じてそのパブリッシャーにアクセスした際に、同意に関する設定を再度行わなくてすむようになるといったことだ。ソースポイントはツールの構築にあたって、オースゼロ(Auth0)やワンアイデンティティ(One Identity)といった複数の認証ベンダーをツールに統合している。

単一のユーザーIDに、ユーザーのデータプライバシー設定が紐づけられ、パブリッシャーの全製品にまたがって同期させることができれば、理論上は、パブリッシャーが販売できる同意済みのインプレッションが増え、マネタイズの促進につながる。またこのツールは、同意のシグナルがパブリッシャーのプログラマティックパートナーに渡される既存の方式にも変化を及ぼさない。

英国のパブリッシャーがこの製品に関心を示しているが、もしこのツールが今後、ソースポイント以外のCMPにも拡大されるとなれば、それに伴いどのような厄介な実装の問題が生じる可能性があるのか検証したいと考えるだろう。

「パブリッシャーが同意を取得するのに利用できるツールが増えるという点では、素晴らしい取り組みのように思える。技術的な制限によってユーザーIDを確認できないことから生じる損失を抑えられる」と、独立系パブリッシング・コンサルタントでニューズUK(News U.K.)元幹部のアレッサンドロ・デ・ザンチェ氏は話す。しかし同時に、パブリッシャーはどんなツールを使用するかという次元にとどまらず、もっと深く掘り下げた一般データ保護規則(General Data Protection Regulation:以下、GDPR)戦略をとらなくてはならないと、同氏は指摘する。「効果的なツールを利用することと、そのようなツールを含めた長期ビジョンを掲げて、質の高いメディアのためのデジタル広告を発明しなおし、エコシステムにおけるパブリッシャーの役割を確立しなおすことを目指す必要があることとは別だ」。

1/3ページ

最終更新:8/23(金) 11:52
DIGIDAY[日本版]

記事提供社からのご案内(外部サイト)

DIGIDAY[日本版]

株式会社メディアジーン

デジタルマーケティング戦略情報に特化した
USブログメディア「DIGIDAY」の日本版。
国内外の最新情報を独自視点でお届けします。

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事