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Stage『人形の家 Part2』~NORA IS BACK! PARCOプロデュース2019

8/23(金) 18:06配信

中央公論

文・ 河合祥一郎 東京大学教授

 イプセンの名作『人形の家』で、妻ノラは夫も子も捨てて、自分の人生を見つけるべく家を出て行く。その衝撃的なラストに全世界が震撼し、自立する女についてしく論じられた。それから一世紀以上たった現代、ノラが一五年後に帰ってくるという続編が新進のアメリカ人劇作家ルーカス・ナスによって書かれた。

 二〇一七年の初演後、大評判となってブロードウェイで上演され、トニー賞作品賞ほか八部門ノミネート、主演のローリー・メトカーフがトニー賞最優秀主演女優賞を受賞するという快挙を遂げた作品である。

 乳母アンネ・マリー(梅沢昌代)が家のドアをあけると、そこにはすべてを捨てて立ち去ったはずのノラ(永作博美)が立っていた。やがて夫トルヴァル(山崎一)が帰宅し、ノラの顔を見て「まさか」と驚く。

 なぜ、ノラは今になって帰ってきたのか。いったい今までどんな暮らしをしていたのか。そして今、何を求めるのか。

 トルヴァルは子供たちと自分を捨てて出て行ったノラを責める。イプセンの原作ではトルヴァルは妻への無配慮ゆえに責められるべき立場にあったが、一五年間子供たちを支えてきたトルヴァルの苦労は彼に強さを与える。今年の読売演劇大賞優秀男優賞を受賞した山崎の演技に期待がかかる。

 幼かったために母親のことを何も覚えていない娘エミー(那須凜)は、結婚を考えており、結婚は互いに縛り合うことであって恋愛とは違うのだと説明しようとする母親と激しく対立する。注目株の実力派・那須の演技も見どころの一つだ。

 演出は今年読売演劇大賞の大賞に輝いた栗山民也。翻訳は常田景子。

2019年8月9日(金)~9月1日(日)
東京・新宿、紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA
全席指定 8000円
お問い合わせ パルコステージ 電話03・3477・5858
北九州、富山、京都、宮崎、豊橋、仙台公演あり

最終更新:8/23(金) 18:06
中央公論

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