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欧州の謎の変形頭蓋骨を複数発見、「民族の目印」だった? 新説が浮上

8/23(金) 17:11配信

ナショナル ジオグラフィック日本版

5~6世紀の変形頭蓋骨、初の東アジア系ルーツも

 ローマ帝国崩壊後の欧州には、ゴート族やフン族などの異民族が進出してきた。いわゆる「民族移動時代」(西暦300~700年頃)である。この時代の遺跡からは、人為的に変形させた跡がある頭骨が見つかっているが、この風習は、自らのアイデンティティを表明する極端な方法の1つであった可能性がある。考古学者は今、DNA分析によってこの謎を解明しようとしている。

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 考古学者たちは最近、クロアチア東部のヘルマノブ・ビノグラード遺跡で、10代の少年の遺体が3体埋められた奇妙な墓穴を発見した。少年たちが埋葬されたのは、西暦415~560年の間だったと推定されている。

 3人の少年のうち2人は、頭蓋が人為的に変形させられていた。だが8月21日付けで学術誌「PLOS ONE」に発表された論文によると、さらに興味深い事実がDNA分析によって明らかになったという。同じ墓穴に埋葬されていた3人の少年は、互いにまったく異なる遺伝的背景をもっていたのだ。

 DNA分析からは、祖先の出身地がわかる。頭蓋変形を施されていない少年の祖先は、西ユーラシア出身だった。一方、高く伸ばされているがまだ丸みのある頭蓋の少年は、近東出身の祖先をもっていた。そして、極端に長く伸ばされた頭蓋をもつ少年の祖先は、主として東アジアの出身であることがわかった。

「DNAの分析結果が出たときには、とても驚きました」と、クロアチア、ザグレブにある人類学研究所の助教で論文著者であるマリオ・ノバク氏は語る。「欧州のこの地域には多様な人々が住んでいて、密接な交流があったことは明らかです。もしかすると頭蓋変形は、見た目で特定の文化的集団のメンバーであることがわかるように行っていたのかもしれません」

 乳幼児の頃に頭を締め付けて頭蓋骨を変形させる風習は、少なくとも新石器時代から世界各地の文化圏で行われていた。欧州の頭蓋変形について研究してきた英ケンブリッジ大学の歴史考古学者スザン・ハーケンベック氏は、欧州では、この風習は紀元2~3世紀に黒海沿岸で始まり、5~6世紀にピークに達し、7世紀末に廃れたという。なお氏は今回の研究には関わっていない。

 ノバク氏によると、クロアチアではヘルマノブ・ビノグラード遺跡以外の場所でも、人為的に変形させられた頭蓋が10点以上発見されているが、それらについての科学的な研究論文はまだ発表されていないという。

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