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★セブンペイが示す統治の欠陥(人事消息地獄耳)

8/23(金) 18:07配信

中央公論

 流通大手、セブン&アイ・ホールディングスが揺れている。七月一日に始めたスマートフォンのキャッシュレス決済「セブンペイ」が、わずか四日で事実上の機能停止に追い込まれたからだ。セブンペイは、セブン&アイのデジタル戦略の要で、グループ全体で戦略の見直しを余儀なくされた。

 セブン&アイの稼ぎ頭、セブン-イレブン・ジャパンでは、大阪府内の加盟店が二月、営業時間の短縮に踏み切り、本部と対立した。四月に古屋一樹氏が社長から会長に退き、永松文彦氏が社長に就任したのは、セブン&アイの井阪隆一社長が、加盟店の不満を深刻視しなかった古屋氏に引導を渡したものだという見方もある。

 セブンペイの不正アクセスでは、本人確認のための「二段階認証」という基本的な仕組みを欠いたことが被害を拡大させた。スマホ決済では当たり前とされる安全対策への配慮が足りなかった理由として、企業統治の欠陥を指摘する声も多い。

 井阪氏は、中興の祖と言われた鈴木敏文会長を追い出す形でトップに座った。鈴木氏も在任後半は権力が集中し、外からの意見が届きづらかったとされる。今回の不祥事は、以前と変わらない企業体質を露呈する結果になった。

(『中央公論』2019年9月号より)

最終更新:8/23(金) 18:07
中央公論

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