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明治大学海野教授がラスベガスで見た民主党候補の弱さと、トランプの強さ

8/23(金) 12:23配信

Wedge

現職大統領トランプのアドバンテージ

 現職大統領は大統領専用機(エアフォースワン)を使用して選挙運動を展開できます。現職大統領に挑戦する野党の大統領候補はジェット機をチャーターしなければならず、コストがかかります。

 知名度や献金の点でも現職大統領は有利です。しかも前回の大統領選挙で作成した有権者リストを所有しています。『トランプ集会で通うこと7回、見えてきたリピーター戦略』で説明しましたが、トランプ大統領には集会に複数回参加する熱狂的なリピーターもついています。彼らは投票に出向く可能性がかなり高い有権者です。

 以上は、トランプ大統領の野党民主党候補に対するアドバンテージになっています。

トランプのウイニング・ストラティジーとは

 加えて、トランプ大統領はウイニング・ストラティジーを確立しています(図表)。それはリーダー、スローガン、標的となる有権者及び戦略から構成されています。

 まず、元司会者兼プロデューサーのトランプ大統領は、自身を愛国心の強いリーダーとして描いています。

 次に、再選に向けて新しいスローガン「米国を偉大なままに」を打ち出しました。東部ニューハンプシャー州マンチェスターで8月15日に開催した集会では、マーケティング能力が高いトランプ氏は、「米国を偉大なままに」が印刷された赤い帽子を被っている支持者から帽子を借りて、自らこのスローガンの宣伝を行い浸透を図りました。

 トランプ大統領が標的としている有権者もみてみましょう。同大統領は主として白人労働者、退役軍人、キリスト教右派及び白人至上主義者を意識した言動をとっています。いわゆる、白人中心の「単一文化連合軍」です。

 そして最も重要なのが戦略です。米ウォール・ストリート・ジャーナル紙によれば、トランプ陣営は2016年米大統領選挙で1000万人の有権者リストを作成しました。その後、有権者リスト者数を3300万人まで増やしました。同陣営のブラッド・パスケール選対本部長は、来年の投票日の11月3日までに5000万人まで増加させると語っています。

 前で紹介した米FOXニュースの世論調査によれば、仮にトランプ大統領とハリス上院議員の直接対決になった場合、同上院議員が6ポイントリードしています。しかし、トランプ大統領にはウイニング・ストラティジーがあるのに対して、ハリス上院議員にはまだそれが見えてきません。この点が同大統領の最大のアドバンテージといえるでしょう。

海野素央 (明治大学教授、心理学博士)

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最終更新:8/23(金) 12:23
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