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かんぽ生命不正販売、3人謝罪会見が象徴する「責任の分散」という要因

8/23(金) 17:19配信

ニューズウィーク日本版

キーエンスには、役割を全うする強さがある

また、別の事例では、社員の平均年収の高さが話題になるキーエンス。工場内のセンサー機器を手掛ける会社だが、従業員の平均年収は2110万円(2019年3月期)。その高収益を生み出す仕組みとしてよく紹介されるのが、徹底した役割意識だ。

営業は、取引先のキーマンを把握し、現場の悩みを詳細に聞き出す。いま何が困っているのか、何ができると助かるのか。その詳細なヒアリング情報を自社の開発担当者に提供し続ける。開発担当者はその膨大な情報を基に、まだ他社が提供していない機能を、どこよりも早く開発し続ける。

5月8日付の日経新聞にはこうある。

実は、営業担当者と開発担当者はほとんど顔を合わせない。資料の提示のみで新製品の説明を済ませるケースが大半だ。社内会議の時間すら惜しむのは、他社が同様の製品を出すまでに一つでも多く売るため。縦割りを徹底し、「新製品を高速サイクルで作り続ける」。

もうお分かりだろう。自分が何の役割を担うのかが明確であり、誰かがやってくれるだろうという「責任の分散」とは無縁の仕組みが構築されているのだ。

企業の盛衰を分ける「責任の分散」という概念。ぜひ、さまざまな企業の情報をこの視点で見てほしい。「責任の分散」が起こり始めた会社に未来はない。

松岡保昌

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最終更新:8/23(金) 19:45
ニューズウィーク日本版

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