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大臣は午前2時から猛勉強 知られざる「努力の天才」田中角栄

8/23(金) 8:11配信

NIKKEI STYLE

《連載》田中角栄に学ぶリーダーの条件(4)

「天才」――。長年、田中角栄とライバル関係にあった石原慎太郎も角栄をこう評するようになったが、確かに側にいた人は「あれは天才だ」と証言することが多い。しかし、それだけではない。人には見せない必死の努力が角栄を「天才」たらしめていた。通商産業相(現経済産業相)、首相の秘書官として角栄を支え続けた最側近の証言を『田中角栄のふろしき』(日本経済新聞出版社)から拾ってみよう。7回連載の4回目は「たゆまぬ努力」。=敬称略

■宴席は1日3件、午後10時には就寝

「歩いて行けるような近い場所で毎晩、3つ料亭を押さえるのが私の極めて重要な役割だった」――。通産省の官僚で事務次官まで務めた小長啓一は秘書官時代を振り返る。

角栄の宴席は毎晩3つ。午後6時からスタートし7時に2軒目、3軒目は8時から始まった。文字通り「ほぼ毎晩」。時間はそれぞれどんなに長くても一時間が限度。時間がくるとさっと切り上げる。オーバーすることはほとんどなかった。「必ず予定の時刻の10分前には着いていたい」というのが、角栄からの要請だったから、できるだけ渋滞にはまって遅れるようなことがないよう近くの料亭を押さえたのだった。

新橋なら新橋、赤坂なら赤坂と固め、仮に宴席の相手同士が街で出くわしても差し支えないよう組み合わせをできるだけ日程を調整しながら、同じ場所で3件まとめて予約するのが小長の腕の見せどころだった。小長の電話帳にはギッシリと料亭の場所、電話番号が記されていた。

角栄の酒席はいつもニコニコ、ワアワア。話題を上手に選びながら、明るく賑(にぎ)やか。場を自ら盛り上げ、相手を決して退屈させることはなかった。だから家に帰ると夜更かしはあまりしなかった。軽い食事をとると後はさっさと布団に入り午後10時過ぎには寝てしまった。

■午前2時から徹底的に資料を読み込む

しかし、これだけなら角栄はどこにでもいる凡庸な政治家で終わっていたかもしれない。角栄が凡庸でないのはここからだ。

確かに角栄は10時過ぎには寝るのだが、午前2時なるとむくっと起き上がる。そしていそいそと勉強を始めるのだった。

役所が用意した資料を徹底的に読み込み、事実関係を把握し、データを頭に入れていく。時には関連図書もしっかり読み込むのだった。

40年あまりの議員生活で33本という前人未到の数の議員立法を成立させた裏にはこうした地道な努力があった。

コンピューター付きブルドーザー、天才――と呼ばれるように、角栄の頭の回転はすこぶる速く、天性のひらめきも素晴らしかった。それは事実だがそれに甘んじていれば角栄もただの政治家だった。

角栄を「天才たらしめる、ものすごい努力が陰にはあった。人には分からないように懸命に努力していたのが田中さん」と小長は言う。

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最終更新:8/25(日) 7:58
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