ここから本文です

追加利下げも近い? FRBの金融政策が日本の株価に与える影響とは

8/23(金) 17:34配信

ニューズウィーク日本版

FOMC発表後の株価はどうなったか

それでは、実際にFOMCによって利上げ/利下げが発表された後、株価がどのように動いたのかを見てみましょう。

●2008年12月:政策金利の大幅引き下げ

まずは利下げを実施したケースから。2008年12月16日、FRBはFOMCにおいて、金融政策のターゲットにしているFF金利を従来の1.00%から0.00~0.25%に引き下げることを発表しました。サブプライムローン問題に端を発するリーマンショックなどの経済の混乱を収めるための一手でした。

市場では0.25%から0.5%前後への引き下げが予想されていましたが、それを大幅に上回る利下げとなり、アメリカの政策金利は先進国のなかでも最低となりました。

通常、政策金利が引き下げられれば株式市場には好影響と考えられており、アメリカの主要株価指数であるダウ平均株価は、前日と比較して359.61ドル(+4.20%)の上昇となりましたが、日経平均株価へのインパクトはそれほどではありませんでした。

そして、年が明けてからはダウ、日経ともに下落。その後、東日本大震災などもあり、リーマンショック前の水準まで回復するのは2013年のことになります。

●2018年12月:政策金利の引き上げ

最近でアメリカの政策金利が変動したのは、2018年12月のこと。FF金利がそれまでの2.25%から2.5%に引き上げられました。2018年の初めには1.5%だったFF金利が、年4回にわたって上昇。金利の引き下げを強く望んでいたトランプ大統領に、半ば反発する形での引き上げでした。

この発表を受けて株式市場は大きく反応。日経平均株価は、それまで保ってきた2万円台の節目を割り込みました。しかし、翌年1月の中旬には持ち直し、その後は緩やかに上昇していくことになります。

ニュースに振り回されないために

たしかに、アメリカの金融政策は日本市場へも影響します。しかし実際には、FOMCの決定内容そのものが株価を動かすのではなく、「それを市場参加者がどう判断したか」が値動きとなって表れているに過ぎません。

アメリカ経済の動向は日本でも大きく取り上げられるため、それが日本株にどう影響するのか気になるところですが、一般にいわれている「株価に影響する出来事」が起こったとしても、必ずしも定説どおりに株価が動くわけではありませんし、まったく反応しないこともあり得ます。

重要な情報ではありますが、ニュースだけに振り回されるのではなく、そこからどんなことが考えられるのか、市場はどう受け取るだろうか、といった想像を働かせるための材料として活用したいものです。そうした積み重ねが、株をより深く理解する一歩になるのだと思います。

※当記事は「株の窓口」の2019年7月29日の記事の転載です

山本将弘

2/2ページ

最終更新:8/23(金) 19:42
ニューズウィーク日本版

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事