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フンコロガシはなぜ糞を丸めるのか?|とんでもない甲虫

8/23(金) 6:05配信

幻冬舎plus

福井敬貴 / 丸山宗利 (九州大学総合研究博物館准教授)

とげとげ、もふもふ、まんまる、くしひげ、くびなが……。昆虫の概念がひっくり返る、279種のおかしな甲虫を厳選したビジュアルブック『とんでもない甲虫』(丸山宗利・福井敬貴著)が好評発売中!

今回は本書より「太陽神とされた甲虫 フンコロガシ」をご紹介します。

動物の糞をせっせと丸める愛らしい虫として有名ですが、なんのために糞を丸めているのか知っていますか?

じつは幼虫のベッドであり、エサにもなっているのです。*   *   *

太陽神とされた甲虫 フンコロガシ(コガネムシ科)

動物の糞(ふん)を食べるコガネムシを糞虫(ふんちゅう)という。そのなかで、糞を玉状にして、転がしながら運ぶものを俗にフンコロガシとよぶ。

古代エジプトではその玉状の糞を太陽に見立て、フンコロガシを太陽神ケプリとみなした。

世界各地のコガネムシ科甲虫でよく似た行動が進化している。

ピンポンタマオシコガネ:ほぼ完全な半球形であるが、かたちの意味は不明。南アフリカの限られた地域に生息し、飛ぶことができない。環境の悪化により数を減らしているという。

フンコロガシに共通するが、地中の巣穴に糞を運び込み、それをオスとメスできれいに丸め、そのなかに卵を産む。

幼虫はその糞玉を食べて成長する。糞の代わりに動物の死骸を利用するものもいる。

アカアシハネナシタマオシコガネ:砂漠に巣穴を掘る。動物の糞を見つけると、前脚でかかえ、高速であとずさりして巣穴に運び込む。

 


■福井敬貴
1994年福島県出身。2016年、多摩美術大学彫刻学科卒業。2019年、同大学院彫刻専攻卒業。学生時代はおもに甲虫をモチーフとした鋳金作品を制作。幼少期より虫をはじめとする生き物全般に強い興味をもって育ち、採集や標本の蒐集活動をおこなう。昆虫標本の展足技術が高く評価され、コレクターや研究者からの依頼が殺到。今では年間数千頭の標本を展足している。好きな甲虫はオトシブミ。

■丸山宗利(九州大学総合研究博物館准教授)
丸山宗利(まるやま・むねとし) 1974年東京都出身。北海道大学大学院農学研究科博士課程修了。博士(農学)。国立科学博物館、フィールド自然史博物館(シカゴ)研究員を経て2008年より九州大学総合研究博物館助教、17年より准教授。アリやシロアリと共生する昆虫を専門とし、アジアにおけるその第一人者。国内外での昆虫調査で数々の新種を発見している。研究のかたわら、さまざまな昆虫の撮影もおこなう。最新刊『とんでもない甲虫』のほか、『ツノゼミ ありえない虫』『きらめく甲虫』『カラー版 昆虫こわい』『昆虫はすごい』など著書多数。

最終更新:8/23(金) 6:05
幻冬舎plus

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