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「電動車の覇権争い」でハイブリッド車がますます重要になる理由

8/23(金) 6:01配信

ダイヤモンド・オンライン

● 上期の新車販売全体に占める 電動車の比率42%の実態

 2019年上期(1~6月)の日本国内での乗用車の燃料別新車販売は、電動車が62万7908台、前年同期比5.7%増で過去最高を記録した。

 新車販売全体に占める電動車の比率も42%となり、上半期としては初の4割超えを果たした。

 これをみると、電動車の割合がますます高まりEV(電気自動車)販売が増えているように思えるが、その実態はハイブリッド車全盛であり、ピュアEV販売はむしろ減っているのだ。

 国内新車販売上期の電動車販売の内訳は、HV(ハイブリッド車)60万8271台、7.3%増に対し、PHV(プラグインハイブリッド車)8279台、28.9%減とEV(電気自動車)1万0967台、26.6%減でPHVとEVは大きく減らしている。HVがさらに販売を伸ばしたことで、電動車販売の96%がHVと大半を占めた。

 世界的にEVシフトの流れが拡大し「EV大転換」が叫ばれる風潮の中で、日本の市場はEVとPHVはむしろ失速気味。市場のユーザーは、コストや走行距離など実利重視の観点からHVを求める流れがさらに高まっているといえよう。

 日本では、HV全盛となる中でそのHVもフルハイブリッド(ストロングハイブリッド)にマイルドハイブリッドが混在し、その方式もスプリット方式・シリーズ方式・パラレル方式と3種類が存在する。トヨタ、ホンダがフルハイブリッドで先行したが、構造が簡単で低コストのマイルドハイブリッドを各社が投入し、まさしく“HV戦国時代”の様相を呈してきている。

 海外でもドイツ勢など欧州各社がEV転換を進める一方で、48V高電圧制御のマイルドハイブリッドを展開してHVにも名乗りをあげており、日本でも輸入車の48V搭載HV投入で日本車対抗を進めている。

 HVについては、世界最大の自動車市場を誇る中国がNEV(ニューエネルギー車)規制を今年から導入する中で、7月にこのNEV規制でHVを「低燃費車」と位置づける修正変更の検討を発表した。

 つまり、中国でもEVの普及はなかなか進まず、急きょ実用的なHVをNEVに組み入れることにしたのだ。最大の自動車市場、中国でも今後、HVがクローズアップされそうだ。

● HVが伸び EVとPHVは大幅減

 日本市場での2019年上期の新車登録の燃料別販売は、ガソリン車が77万0752台で全体の52%を占めているが、前年同期比では4.2%減。これに肉薄しているのがHVで60万8271台、7.3%増で全体の構成比40.7%を占めた。

 この他は、ディーゼル車が9万0684台、2.8%減で続く。これに大きく離れてEVが1万967台、26.6%減にPHVが8279台、28.9%減、FCV(燃料電池車)391台、50.4%増、その他358台、88.5%減となっている。

 つまり、HVが伸びており、EVとPHVは前年同期より大幅に減らしているのだ。FCVは伸ばしているが母体が非常に少ないので比較にならない。最近、東京都バスがFCVバスを採用し、都内で走っているのが目立っている程度だ。

 このように、日本市場ではピュアEVは燃料別販売構成比で0.7%と微々たるものにとどまっている。その原因は、短い走行距離に高い車両価格、不足気味の充電インフラなど、現状のEVのデメリットが嫌われているためではないか。

 日本車では、日産のゴーン元会長が「日産が世界のEVの覇権を握る」と豪語していたが、初代リーフはバッテリー劣化などから中古車市場で大きく商品力を落とし、2代目リーフは商品力を向上させたものの思うように伸びていない。EVといえば、千葉県市川市長が公用車をテスラEVに乗り換えようとして話題になったことも手伝い、EVイコール「テスラ」のイメージが強くなっている。

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最終更新:8/23(金) 6:01
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