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「あおり運転」による大事故リスクを回避する5つの解決策

8/23(金) 6:01配信

ダイヤモンド・オンライン

● 社会問題化する「あおり運転」とは いったいどんな問題なのか

 いろいろな場所で「あおり運転」を行い、その画像が拡散した末に暴行傷害で全国に指名手配された容疑者が逮捕されました。映像を見ると、高速道路でかなりのスピード差でブレーキをかけたり、最後は道路上で斜めに車を止めて後続車を停止させたりと、その危険な運転ぶりに世論が沸きました。

 さて、今回はこの事件について経営コンサルタント的な視点で問題提起してみたいと思います。私たち経営コンサルタントは問題解決を主な仕事にしていますが、定義の仕方によって、問題の意味も解決策の考え方もまったく違うものになることがわかっています。「あおり運転問題」をテーマに、それを考えてみたいのです。

 私たちは何かの問題解決を依頼されると、まず最初に「これはどのような問題なのか」について徹底的に議論をします。コンサルタントの知人とブレストして、「あおり運転問題」をいくつもの違った捉え方で整理してみました。それらをリストにすると、こうなります。

 (1)今回の事件はどういう事件なのか。

 (2)あおり運転から自分の身を守るためにはどうすればいいのか。

 (3)なぜこのようなあおり運転が社会問題になってきたのか。

 (4)あおり運転の厳罰化はなぜ進まないのか。

 (5)どうすればこの問題はなくなるのか。

 そして問題の捉え方によって、解決策は違うものになります。具体的にそれを体感してほしいと思います。

 まず1番目のような捉え方をした場合、次に行う作業は、「これがどういう事件なのかを分析する」ことになります。一般的にこの作業は、主に警察がやることであり、同時並行でマスコミが行う作業になるわけです。

● あおり運転をするのは 「問題がある人」という前提の形成

 それで、各メディアが掘り起こした容疑者の過去についての情報を読むと、次のようなエピソードが出てきます。

 大学を出てすぐに大企業に入社したが、言うことばかりデカイけれども、同期でひとりだけまったく受注もできず、1年で会社を辞めてしまった。親の資産を受け継いでマンションの管理会社を立ち上げたが、住民を威圧してトラブルを起こしてきた。友人に大きな起業話をする一方で「危ない人たちに狙われている」と理解しがたいことも言っていた――。

 こんな具合なのですが、要するにこの人物は性格的に問題がある人物で、日ごろから周囲に対して問題行動を起こしていたということです。奇行についての記述は週刊誌をよく読まれる方でないと気づかないレトリックですが、地下クイズ王として解説すると、こうした「誰かに監視されている」という幻覚は、薬物をやっている芸能人がスキャンダルを起こした際に共通して書かれる特徴です。「容疑者が何日か逃走していたのは薬物検査にひっかからなくなるまでの時間を稼いでいる可能性があるのだ」ということを、暗にほのめかしているわけです。

 この情報を見れば、今回の事件は「問題のある人が傷害事件を起こした」ということがわかります。これに限れば、問題のある人にたまたま遭遇した被害者がアンラッキーだったということになります。そして「その容疑者が無事逮捕されたので、これでこの問題は司法の手に任せて終わり」という捉え方ができます。

 次に2番目の捉え方をすると、この問題は容疑者の逮捕では終わりません。他にも次々と「あおり運転で怖い目にあった」という人が証言をしています。世の中では結構遭遇する可能性がある事案なので、「自分を守るためにはどうすればよいのか」を考える必要が出てくるわけです。

 そもそもあおり運転が社会問題になったのは、今回の事件よりも前のことで、あおり運転の末に高速道路の道路上に強制停止させられた被害者が、後続のトラックに追突されて死亡した事件がきっかけです。そして似たような怖い経験は、多くの人が体験しています。高速道路を走る人にとっては、いつ巻き込まれるかわからない事件なのです。

 実は私も、あおり運転の恐怖を体験したことがあります。15年ほど前、普通に高速道路を運転していて、前のトラックを追い越そうとウィンカーを出して追い越し車線に出たときのことです。少し後ろからスポーツカーが近づいてきているのは気づいていましたが、まだ距離があるので右車線に出たのです。

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最終更新:8/23(金) 6:01
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