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恩師が明かす渋野日向子の高校時代。一度だけ叱った「OLになります」。

8/23(金) 11:31配信

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 「勉強も部活も、何事もそつなく、一所懸命やっていました。ひと言で言えば『手のかからない子』でしたね」

【秘蔵写真】高校時代の初々しすぎる渋野スマイルと、渋野の大活躍が貼り出された母校のフィーバー。

 岡山県作陽高校の外部指導者としてゴルフ部の監督を務める田渕潔氏は、いまや時の人の高校時代を、こう振り返る。8月上旬のAIG全英女子オープンで、日本人女性として42年ぶりの海外メジャー大会優勝を成し遂げたプロゴルファー、渋野日向子だ。

 県北部の津山市に校舎を構える作陽高校は、J1サンフレッチェ広島MF青山敏弘など多くのJリーガーを輩出している男子サッカー部のほか、女子サッカー部、柔道部などが全国大会の常連として名高い。ゴルフ部も同様で、特に女子は6人の卒業生がプロのツアー選手(渋野のほかに藤本麻子、西木裕紀子、東浩子、丹萌乃、須江唯加)として活躍している。

高校生活を謳歌、成績も優秀。

 同校ゴルフ部は、学校から車で15分ほどの距離にある田渕氏経営の『緑ヶ丘ゴルフ練習場』と、その近くのゴルフコースでの練習に加え、やはり近くにある女子サッカー・岡山湯郷Belleの施設を借りて筋力トレーニングも行うなど、環境が充実している。岡山県出身で、2014年に同校のスポーツコースに入学した渋野も練習に励む日々を過ごしたが、田渕氏はゴルフ漬けになることを、よしとしなかったという。

 「生徒が高校時代を振り返って『ゴルフ場に行った記憶しかない』という状態になり、燃え尽きてしまうのは嫌なんです。だから体育祭や文化祭、修学旅行などの学校行事には、なるべく参加するように言っています」

 渋野もクラスメイトと高校生活を謳歌しながら、ゴルフの力を伸ばした。スポーツコースに進んだとはいえ、もともと学力で特待生になっており、学業成績は優秀。文武両道を地で行く「手のかからない子」だった。

揺れる渋野に叱咤した田渕氏。

 渋野は2015年夏の全国高校ゴルフ選手権の団体戦で、2008年に続く同校2度目の優勝に貢献している。メンバー5人中4人が3年生で、唯一の2年生。そのうちの4人が出場し、2日間ラウンドして上位3人のスコア合計で争われる大会で、チーム3番目の成績を残した。

 3年生のときはキャプテンを務めた渋野に、田渕氏は「何かを言った記憶は、ほとんどない」と話すが、「一度だけ怒ったことがある」という。

 前述の通り成績も優秀だったので、高校卒業後は大学に進むのだと田渕氏は思っていた。だが本人は予想に反して「プロになりたいです」と思いを明かす。

 「それはいい、自分で決めたのなら、いろいろな形でサポートするよ、と言っていたんです。それなのに……」

 渋野の心は揺れていた。

 「1カ月後くらいに『やっぱりプロにはならず、ゴルフ場に就職して普通のOLになります』と言ってきたんですよ。迷っていたんでしょうけど、『自分で決めたのだから、頑張らないとダメだよ』と怒りました。ゴルフ部の後輩たちもプロを目指す渋野の姿を見て、頑張ろうとしていましたからね」

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最終更新:8/26(月) 12:36
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