ここから本文です

猛暑のなか9試合無敗、首位も撃破。絶好調・J1広島の省エネサッカー。

8/23(金) 8:01配信

Number Web

 夏の王者はサンフレッチェ広島。

 8月17日、広島はアウェーで首位のFC東京を破り、4位に浮上。6月14日の湘南ベルマーレ戦以来、J1では9試合無敗(5勝4分)を続けている。

 東京戦の広島は、とても賢い試合運びを見せた。

 サイドで起点を作ると、その周りにトライアングルを作ってパスコースを確保。しっかりとボールをつなぎながら、全体を押し上げていく。東京があっさりと引いていたこともあって、前半はほとんどハーフコートマッチのようになった。

 ハーフコートマッチというと、再三シュートを放った印象を受けるかもしれない。だが実は、前半のシュート数はわずか1本だった。実に奇妙なスタッツである。

まるでゴールのないミニゲーム。

 東京が厳しい守備をしたのかというと、そういうわけではない。広島はただひたすら、ボールをつないでいたのだ。敵のペナルティエリアが近づいても、ゴールを狙わず、横や後ろへの確実なパスを選択する。

 まるでゴールのないミニゲームを見ているかのよう。思わず「たらたらしてんじゃねーよ!」と言いたくなる、冒険しない試合運びだ。

 だが、理解できるところはあった。

 この夜の気温は32度。風もほとんどなく、うだるような暑さだった。この暑さでは、リスクを最小限に抑え、確実性を重視した省エネサッカーが正解。下手に攻め急ぐと、ボールを失って守りに奔走しなければならないからだ。そうなると体力が奪われる。

 敵陣で淡々とつなぐ広島の試合運びを見て、ふと思い出したチームがある。この夏、日産スタジアムで横浜F・マリノスと対戦したマンチェスター・シティだ。

シティのサッカーと通じるもの。

 ジョゼップ・グアルディオラが鍛え上げたチームは、変に攻め急いでボールを失うようなことはしない。前にボールを運んでも、その先が厳しければ、無理をせず後ろや横にいる「いい体勢」の味方に預ける。

 ゴールから一度は遠ざかったとしても、いい体勢の味方に預けることで、ゴールへの手順は進んだという考えかただ。勝負をかけるのは、残り1/3に入ってから。そこまでは素早く丁寧にパスをはたいて、全体を押し上げていく。

 もちろん、シティと広島ではクオリティは異なる。だが、リスクを冒さず、安全な道を選ぶという考え方は相通じるものがあった。

1/2ページ

最終更新:8/23(金) 8:01
Number Web

記事提供社からのご案内(外部サイト)

Sports Graphic Number

文藝春秋

986号
9月12日発売

本体630円+税

桜の出陣。
ラグビーW杯大特集 日本代表、ベスト4への道

【別冊付録】 出場20チーム完全選手名鑑

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事