ここから本文です

一進はあっても、一退はない。「投手」大谷、復活へのステップ。

8/23(金) 11:51配信

Number Web

 エンゼルスの不動の「3番DH」として活躍している大谷翔平が、投手としても順調なペースで復帰へのステップを踏んでいる。

【秘蔵写真】かわいい顔して甲子園でビッグフライの花巻東・大谷、ヤンチャそうな中田翔&森友哉、笑顔が光った星稜・奥川らの甲子園での輝き。

 8月17日の時点で、すでに10回目のブルペン投球を行い、球団が制限する球速も85マイル(約137キロ)までアップした。

 7月下旬の段階で70マイル(約113キロ)、約10日後で80マイル(約129キロ)だったことからも、ほぼプラン通りに進んでいることがうかがえる。だからといって、今後、リハビリのペースを加速させる予定もなければ、その必要もない。

 昨年10月1日に「トミー・ジョン手術」を受けて以来、約10カ月あまりが経過した。過去、同手術を受けた投手は、復帰まで12~18カ月を要するとされてきた。実際は、術後1年でマウンドに復帰した松坂大輔(2012年=当時レッドソックス)のように早いケースもあり、個人差はある。ただ、大谷の場合、あくまでも投手としての復帰は来季開幕時。つまり、当初から術後17カ月と、かなり時間的な余裕を持ったプランを進めてきた。

ゆったりとしたリハビリのペース。

 手術した時期次第で復帰日の目標設定が変わってくるとはいえ、このゆったりとしたリハビリのペースは、大谷が「二刀流」だからこそ、球団だけでなく、大谷自身もスムーズに受け入れられた側面があるのではないだろうか。

 今季の大谷は、打者専念の方針の下、5月7日、DHとしてメジャーの舞台に戻ってきた。ただ、もし仮に、大谷が投手専任であれば、間違いなく、今現在もメジャーのグラウンドには立っていない。孤独で過酷なリハビリメニューを消化し、かなりのハイペースで調整したとしても、マイナーなどでフリー打撃に登板している頃で、今季中の復帰もかなり微妙な状況だったに違いない。

打者として毎日プレーすることがプラスに。

 だからこそ、打者としてほぼ毎日プレーしていることが、投手としてのメンタル面にもプラスに作用している現実を、大谷は否定しない。

 「投げることに関して、打撃の方(の関連性)がどうこうというのはないですけど、もちろん、打つ方がなかったら今、試合には出られていないので、そういう意味ではもっとモヤモヤするんじゃないかと思っています」

 確かに、今でも右肘には入念にレガースを装着し、走者としても帰塁は足から、ベースに右手でタッチしないなどの制約は少なくない。だが、もし投手だけのリハビリを続けていれば、チームの状況次第では早期復帰を望む声が高まり、オーバーペースになる可能性も捨てきれない。今の大谷自身が「モヤモヤ」することなく、日々、球場へ向かい、チームの一員としてプレーすることで、プロ野球選手としての充実感を味わえているのは、「二刀流」の賜物と言っていい。

1/2ページ

最終更新:8/23(金) 11:51
Number Web

記事提供社からのご案内(外部サイト)

Sports Graphic Number

文藝春秋

986号
9月12日発売

本体630円+税

桜の出陣。
ラグビーW杯大特集 日本代表、ベスト4への道

【別冊付録】 出場20チーム完全選手名鑑

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事

あわせて読みたい