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GT-Rが「スカイライン」の名を捨てた功と罪とは一体?

8/24(土) 9:02配信

ベストカーWeb

 プロパイロット2.0初搭載や405PSを実現した「400R」グレードがラインアップされるなど、今年7月の改良型登場で久しぶりに話題となった日産「スカイライン」。

 また、6月に販売開始された「ニッサンGT-R 2020モデル」も、続々と試乗レビューが登場し、こちらも話題沸騰中だ。

 この2台は、2007年12月に「GT-R」が登場した時点から、別々の道を歩むことになったのだが、「GT-R」が「スカイライン」という名を捨ててしまったことには、どういった功罪があるだろうか。

 元日産開発エンジニアの筆者が振り返る。

 文:吉川賢一 写真:日産、ベストカー編集部

「功」:設計は大助かりだった

 GT-Rがスカイラインの名を捨てたことによる「功」のひとつは、GT-Rとして車両開発方針が一本になったことだ。

 R34型スカイラインGT-Rまでの開発手順は、ベースとなるプラットフォームを決めた上で、セダンはこう作る、GT-Rはこう作るという風に決めていたという。

 例えば、エンジンを支えるエンジンマウントの位置などは、排気量の違いで前後の適正位置が微妙に変わってくる。

 しかし、共通プラットフォームが前提となると、それぞれがやりたいパッケージングを自由にとることができない。そのため、どうしてもどちらかに妥協が必要とある。この妥協が、性能設計をする上で重い足かせとなっていた。

 R35型は「GT-R」専用プラットフォームと決めたことで、設計の自由度が増し、運動性能を最優先したパッケージングができた。

 例えば、トランスアクスル化による重量配分の適正化などだ。重量物であるパワートレインをいかに配置するかによって、運動性能のポテンシャルは決まる。

 加えて、480馬力を発生するV6 3.8リットルツインターボの搭載、前後異幅の超幅広大径タイヤ、300km/hでの高速直進安定性を想定したエアロダイナミクス、専用サスペンションパーツやジオメトリ設計なども「専用」となり、出来得る範囲で最良の選択をしたことで、GT-Rの運動性能は飛躍的に向上したのだ。

 その結果、2007年当時の、ニュル市販車最速タイムを更新することに成功、「GT-R」の名前を世に轟かせることができた。このGT-Rのレコードタイム更新を聞いたポルシェが、慌てて計時方法にクレームをつけた話は有名である。

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最終更新:8/24(土) 9:02
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