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個性派ぞろいのシャトー・メルシャン3ワイナリー長の素顔に迫る

8/24(土) 15:01配信

サライ.jp

文/遠藤利三郎(ワイン評論家)

日本を代表するワインを産み続けるシャトー・メルシャンは、この秋に3ワイナリー制へと移行する。3つのワイナリーとは山梨県の勝沼ワイナリー(ワイナリー長:田村隆幸氏)、長野県の桔梗ヶ原(ききょうがはら)ワイナリー(同:勝野泰朗氏)、同じく長野県の椀子(まりこ)ワイナリー(同:小林弘憲氏)だ。

去年の桔梗ヶ原ワイナリーオープンに続き、3番目のワイナリーとして9月21日に長野県上田市に椀子ワイナリーがオープンする。今までは桔梗ヶ原や椀子のブドウは勝沼ワイナリーに運ばれて仕込まれていたが、これからはその土地のブドウはその土地で醸造されワインとなるのだ。

メルシャンは、それぞれの地区に素晴らしいワイン用ブドウを産する自社管理畑や契約農家を擁している。各ワイナリーは、テロワールが異なるため出来上がるワインも異なる個性を持つ。だが、さらにワインの個性に大きな影響を与えるのは醸造家の存在だ。

栽培方法、収穫のタイミング、発酵容器はオークかステンレスか、発酵温度、醸しの時間、熟成方法やその期間。ワイン造りはブドウの状態によりその場その場で重要な判断に迫られる。同じ産地のワインであろうとも醸造家が収穫されたブドウをどのように解釈するか、彼らの判断一つでキャラクターの全く異なるワインに仕上がるのだ。

勝沼ワイナリーの田村氏と、椀子ワイナリーの小林氏は1974年生まれ、桔梗ヶ原ワイナリーの勝野氏は1973年生まれである。この同世代の若きワイナリー長たちは、いったいどのようなキャラクターの持ち主なのか。3人が顔を揃える貴重な機会にお話を伺うことができた。

勝沼ワイナリー長はウスケボーイズの一人

一人目は勝沼ワイナリー長、田村隆幸氏。かねがねお会いしたいと思っていた人物だ。ワインと生魚を合わせると生臭みが出やすいが、甲州ワインだと生臭みを感じることなく、刺身などと良い相性を表す。その原因である「におい」のメカニズムを解明したのが田村氏だ。田村氏のその論文を日本ワインのセミナーで何度引用させてもらったことか。筆者が一方的に恩義を感じている方なのだ。

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最終更新:8/24(土) 15:01
サライ.jp

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