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国内外の研究者たちが悲鳴…電子版学術誌の高騰が引き起こす「惨事」

8/24(土) 22:00配信

現代ビジネス

学術界に激震が走った

 今年の1月、日本ではあまり大きく報じられませんでしたが、学術界を揺るがす衝撃的なニュースがありました。カリフォルニア大学(University of California)がエルゼビアからの学術誌の購読をやめると発表したのです。

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 エルゼビアとは、2500以上のジャーナルを出版している学術界で最も大きな出版社で、最先端の知識が掲載されている雑誌をさまざまな分野で出版しています。生物学での『Cell』などは日本でも有名です。筆者の研究分野であるイノベーション研究のトップ誌も、エルゼビアが出版してる『Research Policy』です。

 カリフォルニア大学がエルゼビアから雑誌の購読をやめた理由は、コストです。購読料が、1年間でおよそ12億円にも上っていたのです。

 エルゼビアの出版する雑誌の購読をやめるということは、カリフォルニア大学の学生や研究者は、最先端の知識へのアクセスが大幅に制限されることを意味します。同大学は現在、10校の大学からなる大学群で、日本ではロサンジェルス校(UCLA)やノーベル賞を受賞した中村修二さんがいるサンタバーバラ校(UCSB)などが有名です。それらの大学の研究者や学生にとっては大きな問題です。彼らの生産性を大きく下げてしまいかねません。

 学術誌の購読料の高騰はなにもアメリカだけで起こっている問題ではありません。スエーデンやドイツなどのヨーロッパ諸国や日本など世界的に起こっています。カリフォルニア大学の購読中止は、さらに購読料を上げようとしたエルゼビアに対するいわばボイコットです。

 購読料が高いというのは、社会的に見れば実は表面的な問題に過ぎません。重要なポイントは、科学の成果が公共財でなくなりつつあるということです。

 公共財というのは、非競合性(誰がどれだけ使っても、追加的な費用なしで他の人も使うことができる)あるいは、非排除性(お金を支払わずに消費することを排除できない)があるものです。知識は、このような特徴があるので公共財的な性格をもっています。

 学術誌に掲載されるような科学知識は、企業のビジネスにとってとても重要な役割を担うものです。しかし、基礎的なものであり、特許にならないようなものも多く含まれます。特許による専有化ができないので、企業はなかなか自分では研究開発投資をしないような部分です。だからこそ、大学や国の研究機関がそこを担っているわけです。

 しかし、購読料が高くなってくると、それを購読する資金がある機関の研究者や学生のみにアクセスが限定されていきます。元々、学術誌の購読料自体は存在していたので、完全に非排除性がないわけではないのですが、購読料がこれだけ高騰してくると排除性がかなり強くなってくるのです。

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最終更新:8/24(土) 22:00
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